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富田隆弥の【CHART CLUB】 「移動平均線割れで注意信号が点灯」


移動平均線割れで注意信号が点灯

◆10月24日の日経平均株価は4日ぶりに反発したが、日足チャートは注視していた移動平均線(25日線、75日線、200日線)が集まる「3万8200円」水準を割り込み、「調整入り」の注意信号を灯した。

◆衆議院選挙の投開票日(10月27日)を控えて、マーケットは様子見姿勢を強めている。「与党過半数割れ」の可能性を伝える観測報道が出たほか、第2四半期(7-9月)決算で業績悪化や通期見通しを下方修正する企業もあり、ポジション調整に動く投資家もいるようだ。

◆理由はともかく、チャートの「調整」信号には注意しなければならない。騰落レシオ(25日平均、24日時点)は97.0%と2カ月ぶりに100%を割り込み、個別株の動きも鈍ってきた。個人投資家の押し目買い意欲は旺盛で、信用取引の買い残高は再び4兆円大台(4兆0650億円:18日申し込み時点)に乗せてきたが、その採算は厳しくなりつつある。

◆また、裁定買い残(裁定取引に伴う現物株式の買い残高)は8億1465万株(22日時点)と15日時点の直近ピーク(8億9424万株)から5日連続で8000万株近く減少しており、「裁定解消売り」が始まった可能性がある。

◆日経平均株価が各移動平均線を割り込むと、個別株の需給動向も苦しくなる。米国のNYダウは23日時点で4万2514ドルと3日続落し、25日線(4万2460ドル)に差し掛かり、下値の正念場を迎える。NYダウは日足、週足とも順位相関指数(RCI)が高値圏に集まる(注意信号)だけに注意したいところだ。調整のアノマリーを持つ10月相場はまだ終わっていない。

(10月24日 記、次回更新は11月2日10時を予定)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

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