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【市況】伊藤智洋が読むマーケット・シナリオ【週間展望】 10月27日版

日経平均は11月上旬に大勢の強弱が見えてくる
1. 日経平均株価の11月は上昇傾向がある
 図1は、 日経平均株価の11月の値動きになります。日経平均株価は6月から10月頃までの上値を抑えられやすい時期を経過する過程で、その時点での下値の限界を確認し、10月、11月に年末から翌年の上げやすい時期へ向けて上昇を開始するための準備へ入ります。
 このような値動きのパターンから、11月は上げ傾向があります。
図1 日経平均株価の11月の値動き①
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 図1では、月足が陽線引けした年が「〇」、陰線引けした年を「●」と表記しています。11月は陽線引けしている年が多く、陽線確率が67.6%となっています。1990年から2023年の期間では、11月が最も陽線の確率が高くなっています(次は4月で58.8%です)。
 図中の陽線引けした年の営業日は、11月の最安値をつけた日の月初からの営業日になります。これを見ると、11月は月初から上昇している年と、月中に押し目をつけて上昇している年があることがわかります。
 11月は、下げやすい時期から押し目をつけて上昇を開始するので、強気の展開になる場合でも、下値堅さを確認して上げるパターンと、月初から一本調子に上昇するパターンのどちらかになっているようです。
 一方で、11月に陰線引けした年の最高値をつけた日までの営業日は、陰線引けした11回中、9回が5営業日以内となっています(ほとんどが1営業日目に11月の最高値をつけています)。
 6営業日目となった2009年は、11月が月初から小幅なもみ合い場面となって、6日に月初の値位置より若干高い場所で高値をつけた後、下降を開始しています。2009年の上ヒゲ(高値-始値)を見ると、上ヒゲの幅は76円幅となっていて、ほとんど上げていないことがわかります。
 2021年は、月初から16日まで比較的振れ幅の大きな保ち合いの動きとなった後、下降を開始しています。
 月足が陰線引けする場合、たいていは月初から下げる動きとなります。
 月初に価格が上げるときは、連続して上昇する動きとならず、すぐに上値を抑えられてもみ合いの動きへ入り、下降を開始しています。
 11月が陰線引けしている年の下降幅(高値-安値)はほとんどが1000円幅以上となっています。700円幅、800円幅程度になっている年は、価格が1万円以下となっていて値位置が低い年だけです。
 11月のように上げ傾向の強い月に価格が下げる場合、はっきりとした下げ要因があり、価格が積極的に下げているため、月初から一本調子になりやすく、下げ幅が大きくなりやすいと考えられます。
 図2は前述した11月の上昇、下降の値動きのパターンになります。
図2 日経平均株価の11月の値動き②
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