ニデックの決算反応に安心感【クロージング】
24日の日経平均は4日ぶりに反発。38.43円高の38143.29円(出来高概算17億1000万株)で取引を終えた。前日の米国市場で主要株価指数が下落した流れを映して、朝方には37712.19円まで値を下げた。ただ、心理的な節目の38000円を割り込んだ水準では自律反発を狙った買いが入り、その後プラスに転じると前場中盤には38320.39円まで上昇。しかし、週末には衆院選を控えているほか、本格化している国内主要企業の決算内容を見極めたいと考える向きも多く、その後は売り買いが交錯するなかで38000円台は維持して終了した。
東証プライムの騰落銘柄は、値下がり銘柄数が全体の6割近くを占めた。セクター別では、電気機器、その他製品、倉庫運輸など10業種が上昇。一方、電気ガス、ゴム製品、海運、鉄鋼など22業種が下落し、水産農林は変わらず。指数インパクトの大きいところでは、アドバンテス<6857>、東エレク<8035>、TDK<6762>、コナミG<9766>が堅調だった半面、ソフトバンクG<9984>、ファーストリテ<9983>、ファナック<6954>、ニトリHD<9843>が軟調だった。
前日の米国市場は利下げペースが緩やかになるとの見方から長期金利が上昇したことが重荷となり、ハイテク株を中心に売られた。東京市場も朝方は売り先行で始まり、心理的な節目の38000円台を割り込んで始まると、下げ幅は一時400円に迫った。ただ、米国市場の取引終了後に決算を発表したテスラが時間外取引で急伸していることから、投資家心理が改善し押し目を拾う動きにつながった。政治不安から足もとで売り仕掛け的な動きも強まっていたこともあり、短期筋による買い戻しの動きも入ったと考えられえる。そのため、日経平均はプラスに転じたものの、国内での重要イベント前に積極的に上値を買い上がる雰囲気にもつながらず、後場はこう着感が強まっていた。
衆院選後の政局運営に対する先行き不透明感が強いだけに、動くに動けないのが現状だろう。そのなかで、前日に決算を発表し、市場予想を上回る良好な内容だったニデック<6594>や業績予想の大幅な上方修正を発表したバンナムHD<7832>などが買われており、目先は森より木を見る展開が続くことになりそうだ。
《CS》
提供:フィスコ