米国株高や円安で買い先行も上値の重い展開に【クロージング】
10日の日経平均は続伸。102.93円高の39380.89円(出来高概算15億株)で取引を終えた。前日の米国市場で主要株価指数が上昇したことや円相場が1ドル=149円台半ばまで円安が進んだことを受けて買いが先行。日経平均は取引開始直後に39616.59円まで上昇した。ただ、上値では戻り待ちの売りが入りやすく、買い一巡後はこう着感が強まる展開になった。米国では9月の消費者物価指数(CPI)の発表を控えているため、米国のインフレ動向が気掛かりで、次第に模様眺めムードが広がった形だった。
東証プライムの騰落銘柄は、値下がり銘柄数が900を超え、全体の6割近くを占めた。セクター別では、ゴム製品、保険、銀行、医薬品、輸送用機器など23業種が上昇。一方、小売、サービス、繊維製品、その他製品など10業種が下落した。指数インパクトの大きいところでは、ソフトバンクG<9984>、ファーストリテ<9983>、信越化<4063>、第一三共<4568>が堅調だった半面、アドバンテス<6857>、東エレク<8035>、リクルートHD<6098>、イオン<8267>が軟調だった。
米国市場ではNYダウやS&P500種指数が最高値を更新。これを受け、東京市場もリスク選好ムードが波及した。日経平均の上げ幅は一時300円を超えたが、これまで同様、朝方こそ米国市場の流れを引き継ぐ格好で始まった後は、こう着感が強まっていた。東証プライムの売買高は連日で15億株台にとどまっており、積極的な売買は手控えられていた。日米ともに3連休を控えているため、短期的な売買にとどまっていたと考えられる。
また、米国では週末にJPモルガンなど大手金融企業の決算が予定されており、来週の連休明けから決算発表が本格化する。そのため、決算内容を見極めたいとする模様眺めムードも強まりやすいタイミングだろう。なお。国内では取引終了後に、ファーストリテが2024年8月期決算を発表。売上高、利益ともに市場予想を上回っての着地だった。25年8月期計画も予想を上回っており、指数インパクトの大きい値がさ株でもあるため、相場をけん引するかが注目されそうだ。
《CS》
提供:フィスコ