7日の米国市場ダイジェスト:NYダウは398ドル安、中東情勢の悪化や金利高を嫌気
■NY株式:NYダウは398ドル安、中東情勢の悪化や金利高を嫌気
米国株式市場は反落。ダウ平均は398.51ドル安の41,954.24ドル、ナスダックは213.95 ポイント安の17,923.90で取引を終了した。
ハマスによる攻撃から1年目となるイスラエルの首相が攻撃継続を表明、中東情勢悪化への警戒感が強まり、寄り付き後、下落。また、長期金利の上昇でナスダックも売られ、相場は終日軟調に推移した。新たに発生したハリケーンが勢力を増し、経済の混乱につながるとの懸念が強まり、終盤にかけ一段安となり、終了。セクター別では、半導体・同製造装置、エネルギーが上昇した一方、保険が大幅下落した。
製薬会社のファイザー(PFE)は物言う投資家のスターボードによる10億ドル相当の同社株保有が明らかになり、上昇。オンラインで医薬品サービスを提供する新興企業、ヒムズ&ハーズ・ヘルス(HIMS)はスタンダードアンドプアーズ(S&P)が小型株600種指数に同社株を採用すると発表し、上昇した。携帯端末のアップル(AAPL)やオンライン小売のアマゾン(AMZN)、動画配信のネットフリックス(NFLX)はアナリストの投資判断引き下げでそれぞれ下落。
損賠賠償保険会社のオールステート(ALL)やプログレッシブ(PGR)はハリケーン「ミルトン」が「へリーン」に続き勢いを増し、カテゴリー「5」に発達したため、大規模被害を警戒し売られた。エンターテインメントのディズニー(DIS)も大型ハリケーンによるテーマパークの休園で収益減の可能性が嫌気され、売られた。検索グーグル運営のアルファベット(GOOG)はアンドロイドのアプリストアを競合にも開放するよう命じた判事の判断が嫌気され、下落。
ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁は講演で、リスクバランスがインフレから失業へシフトしたとの考えを再表明した。
(Horiko Capital Management LLC)
■NY為替:中東地政学的リスク増大でリスクオフ
7日のニューヨーク外為市場でドル・円は148円27銭から147円86銭までじり安推移し、148円17銭で引けた。地政学的リスクの上昇を警戒し、リスク回避の円買いが優勢となった。また、米国の重要インフレ指標発表を控えた手仕舞いのドル売りや、ハリケーン勢力拡大による景気への打撃を警戒したドル売りが優勢となった。
ユーロ・ドルは1.0987ドルまで上昇後、1.0970ドルまで反落し、1.0972ドルで引けた。ホルツマン・オーストリア中銀総裁のインフレ退治が完了には程遠いとのタカ派発言を受けでユーロ売りが後退したが、ドイツの製造業受注の落ち込みを警戒したユーロ売りに上値が限定的となった。ユーロ・円は、162円80銭から162円30銭まで下落。ポンド・ドルは1.3066ドルから1.3096ドルまで上昇。ドル・スイスは0.8534フランまで下落後、0.8566フランまで上昇した。
■NY原油:大幅続伸で77.14ドル、77.40ドルまで一段高
NY原油先物11月限は大幅続伸(NYMEX原油11月限終値:77.14 ↑2.76)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物11月限は、前営業日比+2.76ドル(+3.71%)の77.14ドルで通常取引を終了した。時間外取引を含めた取引レンジは73.62ドル-77.40ドル。アジア市場で73.62ドルまで売られた後はじり高となり、米国市場の後半にかけて77.40ドルまで一段高となった。通常取引終了後の時間外取引では主に77ドル台で推移。イスラエルとイランの間で大規模な軍事衝突が発生することが警戒されており、供給不安が高まっていることが原油価格を押し上げた。
■主要米国企業の終値
銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)
バンクオブアメリカ(BAC) 39.96ドル -0.15ドル(-0.37%)
モルガン・スタンレー(MS) 107.64ドル -0.24ドル(-0.22%)
ゴールドマン・サックス(GS)494.62ドル -0.54ドル(-0.10%)
インテル(INTC) 22.38ドル -0.21ドル(-0.92%)
アップル(AAPL) 221.69ドル -5.11ドル(-2.25%)
アルファベット(GOOG) 164.39ドル -4.17ドル(-2.47%)
メタ(META) 584.78ドル -11.16ドル(-1.87%)
キャタピラー(CAT) 398.25ドル +1.16ドル(+0.29%)
アルコア(AA) 39.47ドル +0.35ドル(+0.89%)
ウォルマート(WMT) 79.10ドル -1.84ドル(-2.27%)
《ST》
提供:フィスコ