米株高や円安進行が好感され3万9000円台回復【クロージング】
7日の日経平均は大幅続伸。697.12円高の39332.74円(出来高概算19億1000万株)で取引を終えた。終わり値で39000円を回復するのは9月27日以来、6営業日ぶり。前週末の米国市場で主要株価指数が上昇したほか、円相場が一時1ドル=149円台へと円安が進んだことから幅広い銘柄が買われ、日経平均は39000円台を回復して始まった。買い一巡後は戻り待ちの売りなどに上げ幅を縮める場面があったものの、押し目待ち狙いの買い意欲は強く、後場終盤に向けて一時、39560.78円まで上値を伸ばした。
東証プライムの騰落銘柄は、値上がり銘柄数が1200を超え、全体の7割超を占めた。セクター別では、銀行、保険、証券商品先物、その他製品、サービスなど28業種が上昇。一方、パルプ紙、空運、鉄鋼、海運、不動産の5業種が下落した。指数インパクトの大きいところでは、ファーストリテ<9983>、アドバンテス<6857>、リクルートHD<6098>、コナミG<9766>、ソフトバンクG<9984>が堅調だった半面、ディスコ<6146>、ニトリHD<9843>、住友不<8830>、イオン<8267>が軟化した。
9月の米雇用統計は、非農業部門雇用者数が25.4万人増と市場予想(15.0万人増)を大幅に上回ったほか、失業率は4.1%(8月は4.2%)に低下した。米労働市場の悪化懸念が和らぎ、東京市場にもリスク選好ムードが広がった。また、強めの雇用統計を背景に大幅利下げ期待が後退し、米長期金利の上昇により為替市場では円安が進んだことも投資家心理の好転につながった。日米の長期金利が上昇したことによる利ざや改善期待からメガバンクなど金融株も上伸し、日経平均の上げ幅は一時900円を超えた。目先的には高値引けとなった9月27日の39829.56円を早期に奪回できるかが目先のポイントだろう。
日経平均は前場中盤にかけて39500円を回復した後はこう着感が強まった。日経225先物がナイトセッションで1000円高だったことから、朝方はこれにサヤ寄せする形でインデックスに絡んだ買いが先行した形である。買い一巡後のこう着は予想されていたと考えられ、上値の重さを警戒する流れにはならないだろう。反対に買い一巡後の底堅い値動きにより、押し目待ち狙いの買い意欲は強そうである。
《CS》
提供:フィスコ