きちりHD Research Memo(5):株式上場以来初の増資を実施し、自己資本比率が20%台まで回復
■きちりホールディングス<3082>の業績動向
2. 財務状況と経営指標
2024年6月期末の財務状況は、資産合計が前期末比747百万円増加の7,541百万円となった。流動資産では暗号資産337百万円が無くなった一方で、現金及び預金が525百万円、売掛金が104百万円増加した。固定資産では新規出店に伴い有形固定資産が303百万円増加したほか、関係会社長期貸付金100百万円を計上した一方で、ソフトウェア資産が54百万円減少した。
負債合計は前期末比472百万円減少の5,701百万円となった。未払費用が74百万円、未払法人税等が60百万円、未払消費税等が47百万円それぞれ増加した一方で、有利子負債が686百万円減少した。また、純資産は同1,219百万円増加の1,839百万円となった。配当金支出50百万円があったものの、親会社株主に帰属する当期純利益256百万円の計上に加えて、新株式の発行及び自己株式処分により資本金が333百万円、資本剰余金が529百万円それぞれ増加し、自己株式が170百万円減少(増加要因)した。
経営指標は、コロナ禍による業績の悪化に対応するため2020年6月期に事業運営資金として金融機関から約50億円の借入れを実施したこと、並びに業績の低迷が続いたことで2023年6月期末の純資産額は619百万円、自己資本比率で7.7%まで低下したが、前述のとおり2024年6月期の業績が急回復したほか、増資を実施したことなどにより純資産が大幅に増加し、自己資本比率も23.4%まで回復した。有利子負債残高は3,766百万円まで減少したが、今後も年間7億円前後のペースで返済する予定だ。新規出店に伴う設備投資資金も必要なことから同社では状況に応じて借り換えなどを実施しながら、有利子負債の削減を進める意向だ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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提供:フィスコ