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【特集】「配当テンバガー」を探せ―不老不死のポートフォリオ構築を―

日経CNBC×株探 コラボ第3弾
「幸福寿命」を延ばす資産形成アカデミー 第6回


田中彰一田中彰一
日本経済新聞社コンテンツプロデューサー兼日経CNBC解説委員
1989年、日本経済新聞社入社。主に金融・資本市場担当。ニューヨーク駐在などを経て2018年より現職。日経電子版コンテンツ開発、ニュースレター執筆、経済番組解説の「創る・書く・話す」の三刀流をこなす。お宝株を紹介する日経CNBCの動画「未来のブルーチップを探せ」は2023年の年間アクセス数首位。著書は『「50代から輝く!『幸福寿命』を延ばすマネーの新常識」』(日本経済新聞出版)など多数。小冊子「日経記事でマネートレーニング」(東京証券取引所)は金融経済教育を推進する証券知識普及プロジェクトの認証を受けた。マネーと不動産の実務と健康に詳しい。

 この原稿を執筆中、メジャーリーグ・大谷翔平選手のレギュラーシーズンが終わり、打率2位の準三冠王が確定しました。「50-50」などの記録更新を含めると10冠との評価もあり、もうよくわからないレベルですね(笑)。確かなのは、彼が野球史を塗り替えた1年だったということ。専門家とは程遠いですが私は、ケガや病気をせず試合に出続けたことが最大の原動力だったと評価しています。春先に通訳の不祥事発覚などスタートはつまずきましたが、その後は素晴らしいダッシュをみせ、スランプはあったものの最後までほぼ途切れずに出場、大記録につながったと考えています。

 波乱や調整は何度も襲ってくるが、マーケットに居続けることが好パフォーマンスを生む――なんだか「野球道=投資道」じゃないですか! 自民党総裁選も絡んで株式市場は不安定な動きもみせていますが、一時的な損失を抱えても相場と向き合い続けるようにしたいものです。

■配当で生計を立てるのは荒唐無稽か?

 株式における長期投資の魅力は、何といっても利益成長による株価上昇です。何倍にも値上がりするお宝株を発掘できれば「億り人」成就が実現味を増します。株探ユーザーで、いわゆる10倍株(テンバガー)を保有しているという方がどれぐらいいるのか、ぜひアンケートを集計したいものです。

 キャピタルゲインに対してインカムゲインはどうでしょうか。10月1日時点の日経平均株価採用銘柄の平均利回りは約2%。最近はざらに1000円前後動くので1日で消し飛ぶレベルです。老後の年金不足問題で言われた金融資産2000万円を達成できたとしても、配当収入は年間40万円ほど。高利回り銘柄に投資しても月4~5万円がいいところなので、生計を立てるにはちょっと無理があるといえるでしょう。

 では、発想をがらりと変えてみましょう。テンバガーといえばキャピタルゲインを指しますが、配当のテンバガーというのは存在しないのか?

図1 配当10倍(テンバガー)で生計を立てる?
【タイトル】

 10倍はいかなくとも資本効率やキャッシュフローの改善で着実に増配し、株価の上昇力が乏しくても配当だけは何倍にもなった、というパターンは存在しないのでしょうか。年間40万円ほどの配当がいずれ400万円になるという、にわかには想像しにくいシナリオです。十分生計を立てられますが、荒唐無稽だと言われそうですね。

 そもそも10倍配当株が存在するとしても、見つける手立てがありません。当てずっぽうに目鼻をつけるのも愚策でしょうし、配当成長力があったとしてもキャピタルロスが発生しているようでは意味がありません。

 というわけで、今回はちょっとプレミアムな話題。配当テンバガーを探す手法を紹介しましょう。10数年前、私が日経電子版創業期に導入したお宝データを活用し、株探個別データと組み合わせることでアプローチが可能になります。

50代から輝く!『幸福寿命』を延ばすマネーの新常識
※本稿は「50代から輝く!『幸福寿命』を延ばすマネーの新常識」(田中彰一著)から「新常識40」「同44」を抜粋し、株探ユーザー向けに加筆・再構成しました。取材歴35年のベテラン記者が明かす127のノウハウ(=新常識)の詳細については是非、同書をご覧ください。





 

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