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4845 スカラ

東証P
461円
前日比
+5
+1.10%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
23.5 2.02 3.47 3.60
時価総額 81.9億円

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スカラ Research Memo(7):2024年6月期は人材事業、EC事業、インキュベーション事業で増収達成(2)


■スカラ<4845>の業績動向

(3) EC事業
EC事業の売上収益は前期比4.7%増の2,238百万円、営業利益は同24.1%減の240百万円となり、全社費用配賦前営業利益でも同20.1%減の303百万円となるなど子会社化以降初めて減益となった。売上収益については、トレーディングカードの市場規模が年々拡大するなかで、SEOをはじめとしたデジタルマーケティング施策やUI/UXの改善によるユーザビリティ向上に取り組んだこと、また、2023年9月にWebサイト「カードショップ - 遊々亭 -」のフルリニューアルを実施したことなどもあり会員数が順調に拡大し、増収要因となった。ただ、四半期ベースで見ると第4四半期は前年同期比5.9%減の559百万円と減収に転じるなどブレーキがかかった状況となっている。これは前期に活況を呈した一部のタイトルの需要が外部環境の変化により沈静化したことや、同タイトルに依存しすぎたことが要因だ。利益面では、システムの改修・改善費用やAI技術の導入検討を積極的に推進しており、これら開発費の増加が減益要因となった。なお、AIについては物流拠点における発送業務の一部で画像認識ソリューションの導入を開始しており、今後の生産性向上に寄与するものと期待される。

(4) 金融事業
金融事業の売上収益は前期比2.3%減の1,216百万円、営業損失は818百万円(前期は196百万円の損失)となり、Non-GAPP指標での全社費用配賦前営業損失も169百万円(同160百万円の損失)と損失額が若干拡大した。利益率の高い新商品の販促活動を実施したことにより、保有契約件数は過去最高を更新したものの、1契約当たり保険料の低下が売上収益の減少要因となった。利益面では、販売代理店の見直し※1と支払基準の厳格化に取り組んだことで、保険損害率※2の改善傾向が続いたものの、新商品開発に伴う先行投資やWebサイトの改修等のマーケティング施策に関連した費用を積み増したこともありNon-GAAP指標で損失額が若干拡大した。また、収益力向上の進捗が遅れている影響等に照らし、第4四半期にのれん355百万円とその他固定資産258百万円を減損損失として計上した。のれんについては全額を減損処理した。

※1 販売効率の悪い代理店(契約継続率の低い代理店)の整理と新たな代理店(インターネット代理店含む)の獲得を進めている。
※2 保険損害率=支払保険金÷保険料収入

(5) インキュベーション事業
インキュベーション事業の売上収益は前期比9.4%増の294百万円、営業損失は188百万円(前期は203百万円の損失)、Non-GAPP指標での全社費用配賦前営業損失は190百万円(同235百万円の損失)となった。

会社別で見ると、スカラについては売上収益で1,121百万円、日本会計基準の営業利益で42百万円、IFRS基準では子会社のスカラサービスや日本ペット少額短期保険の株式評価損1,005百万円、並びに繰延税金資産の取崩し440百万円を一時費用として計上したことにより、2,271百万円の営業損失となった(売上収益の大半はグループ内取引で相殺され、一時費用に関しては連結業績に影響しない)。事業面では、新規事業として立ち上げたM&A実行支援サービスの実績が積み上がってきたが売上規模としては数千万円程度とまだ小さく、サービス開発費用など先行投資負担により営業利益は減益となった。

ソーシャル・エックスは売上高で187百万円、営業利益で50百万円と堅調に推移した。「逆プロポ」を通じた官民共創による社会課題解決型の新規事業創出支援が順調に推移したほか、東京都の「多様な主体によるスタートアップ支援展開事業(TOKYO SUTEAM)※」の協定事業者として実施している社会課題解決型スタートアップの創出・支援を目指す「官民共創型アクセラレーションプログラム(ソーシャルXアクセラレーション)」や、同様の取り組みを行う沖縄県や群馬県などでも支援事業者として参画するなど横展開が進んだ。また、こうした取り組みが注目され、地域の金融機関との連携も複数スタートするなど成果が出始めている。そのほか、一部の事業について今後の収益力の見直しを行い、固定資産の減損損失61百万円を計上した。

※ 東京都と協働してスタートアップを支援する事業者を「協定事業者」として募集・選定し、協定事業者は、東京都やほかの協定事業者と連携しながら、スタートアップや起業希望者などに対し、原則1年半にわたり、それぞれのアイデア、ネットワーク、フィールドなどの強みを生かした多彩な支援を行っていく。協定事業者が行った取り組みの成果に対して、東京都が協定金を支払う格好で、協定金の額については協定事業者が設定したKPIの達成状況、及び事業全体の成果に対する外部有識者などで構成する評価委員会における評価に応じて決定する。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《HN》

 提供:フィスコ

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