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株価指数先物【寄り前】 米雇用統計の発表を前にニュートラルに戻す動き


大阪9月限ナイトセッション
日経225先物 36960 +350 (+0.95%)
TOPIX先物 2637.0 +22.0 (+0.84%) 
シカゴ日経平均先物 37010 +400
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 5日の米国市場は、NYダウ S&P500が下落した一方で、ナスダックは上昇。8月のADP雇用統計は、民間雇用者数が9万9000人増となり、市場予想(14万5000人増程度)を下回った。労働市場の減速を示す内容となったことから、週末に発表される8月の米雇用統計への警戒感が広がった。また、新規失業保険申請件数は、前週比5000件減少の22万7000件と、予想(23万件)を下回った。米長期金利は約1カ月ぶりの水準に低下し、ハイテク株の一角が買われた。S&P500業種別指数は自動車・同部品、小売、メディアが上昇した一方で、運輸、商業サービス・用品、ヘルスケア機器・サービスが下落。

 シカゴ日経平均先物(9月限)清算値は、大阪比400円高の3万7010円だった。日経225先物(9月限)のナイトセッションは日中比90円高の3万6700円で始まり、その後は3万6650円~3万6880円辺りでの保ち合いを継続。一時3万6490円と下落に転じる場面もみられたが、米国市場の取引開始後にリバウンド基調が強まり、3万7120円まで買われた。中盤に軟化したがプラス圏をキープしており、終盤にかけては3万6860円~3万7070円辺りでの保ち合いが続き、3万6960円でナイトセッションの取引を終えた。

 日経225先物は、シカゴ先物にサヤ寄せする形から、買い先行で始まることになりそうだ。ただし、直近の大幅な下げに対するリバランスの動きであり、8月の米雇用統計の発表を控えるなか、積極的なロングの動きは限られそうである。ナイトセッションでは一時3万7120円まで買われる場面もみられたが、同水準に位置する25日移動平均線(3万6940円)が抵抗線として意識されやすい。これを上回ったとしても、200日線(3万7330円)を捉えてくる場面では戻り待ち狙いのショートが入るだろう。

 米雇用指標が労働市場の減速を示す内容となるなか、米連邦準備理事会(FRB)は9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、通常の倍に当たる0.5%の利下げに踏み切るとの見方がコンセンサスになりつつある。米長期金利が低下傾向を続けるなか、為替市場ではドル円が1ドル=143円台で推移しており、東京市場においては円高が重荷になるだろう。

 米雇用統計の発表を前に足もとでショートに傾いているポジションを、いったんニュートラルに修正する動きから、下値の堅さは意識されるだろう。週足のボリンジャーバンドの-1σが3万6740円辺りに位置しており、同水準での底堅さがみられる可能性により、オプション権利行使価格の3万6750円から3万7250円でのレンジを想定する。3万7000円辺りでの攻防が見込まれるが、3万6750円~3万7000円水準では、押し目狙いのロング対応に向かわせそうである。

 また、米国ではハイテク株の一角が買われており、エヌビディア<NVDA>は小幅ながら3日ぶりに反発した。明確な底入れは見極めが必要であるが、足もとで調整を強めている東京エレクトロン <8035> [東証P]など指数インパクトの大きい値がさハイテク株には買い戻しの動きがみられる可能性があり、日経平均型を下支えしそうだ。

 なお、5日の米VIX指数は19.90(前日は21.32)に低下した。25日線(19.35)が支持線として機能していることから楽観視はできないものの、20.00を下回ってきたことから、リスク選好に向かわせやすい。ロングは強まりにくいものの、ショートカバーを誘い込みやすいだろう。

 なお、昨日NT倍率は先物中心限月で14.00倍に低下した。値がさハイテク株の下げが日経平均型の重荷となるなか、一時13.93倍まで下げる場面もみられた。14.00倍を割れるとリバランスが入りやすいだろう。ただし、14.11倍辺りで推移する75日線が抵抗線として機能する可能性があるため、戻りの鈍さがみられるようだと、NTショートでのスプレッド狙いに向かわせそうだ。

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