37000円割れも押し目買いを入れにくい需給状況【クロージング】
4日の日経平均は大幅続落。1638.70円安の37047.61円(出来高概算20億株)で取引を終えた。景気後退懸念を背景に前日の米国市場で主要株価指数が大幅に下落したほか、円相場が一時1ドル=144円台へと円高が進んだことが嫌気された。日経平均は取引開始直後に節目の38000円台を割り込み、前場中盤には37122.33円まで下押した。その後は、突っ込み警戒感から押し目を拾う動きもみられたものの、積極的なリバウンド狙いの買いは限られ、後場中盤になると、8月15日以来約3週間ぶりに一時37000円を割り込む場面があった。
東証プライムの騰落銘柄は、値下がり銘柄数が1500を超え、全体の9割超を占めた。セクター別では、33業種すべてが下落し、鉱業、非鉄金属、証券商品先物、石油石炭、銀行の下落が目立っていた。指数インパクトの大きいところでは、バンナムHD<7832>、ニトリHD<9843>、ZOZO<3092>、花王<4452>、イオン<8267>がしっかりだった半面、東エレク<8035>、アドバンテス<6857>、ソフトバンクG<9984>、ファーストリテ<9983>、信越化<4063>が軟調だった。
祝日明けの米国市場は、8月の米ISM製造業景況指数が47.2となり、市場予想(47.5)を下回ったため、米景気の先行き懸念が高まった。また、米司法省が「米半導体大手エヌビディアの反トラスト法(独占禁止法)違反の証拠を求め、エヌビディアなどに文書提出命令状を送付した」と伝わったことも投資マインドを悪化させた。米国では半導体株が大きく売られており、東京市場もこの流れを引き継ぐ格好となった。東エレクなど半導体株は終日軟調な推移が続いたことから押し目買いを入れにくい需給状況だった。
日経平均は再び1000円を超える大幅安となった。ISM製造業景況指数が弱かったことが米国のリセッションへの不安感を増幅する形になったようだ。また、自民党総裁選の争点が金融所得課税増税となりそうなことも投資家心理を悪化させたとみられる。米景気については、5日に発表される8月のISM非製造業景気指数や6日の雇用統計の結果を見極めたいとの思惑が強い。日経平均は調整幅としては十分だが、米経済指標にらみのなか、押し目買いを慎重にさせそうだ。
《CS》
提供:フィスコ