セレンディップ Research Memo(8):レディーバードの通期寄与などにより引き続き最高益を更新
■業績動向
2. 2025年3月期の業績見通し
セレンディップ・ホールディングス<7318>は2025年3月期業績見通しについて、売上高21,800百万円(前期比10.2%増)、営業利益800百万円(同67.4%増)、経常利益735百万円(同23.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益546百万円(同5.2%増)と大幅増益を予想、引き続き最高益を更新する見込みである。
2024年3月期までに行ってきたM&Aや生産性向上策など種まきの成果が期待されることに加え、レディーバードの通期寄与や前期から期ズレした収益の発生、前期に発生した先行費用の消滅により大幅増益予想となった。ただし、M&Aについては費用を若干織り込んでいるだけで、上期にM&Aがあった場合は通期業績への利益寄与が期待できるが、下期にM&Aがあった場合には先行費用の発生を念頭に置く必要があろう。とはいえ、修正予想から下方修正した直後で、同社も成長に対する市場の期待に応えたいとしていることから、2025年3月期の業績予想値は最低限のコミットと考えられる。
セグメント別ではモノづくり事業で、自動車生産が高水準を維持、設備投資やR&Dも回復基調となることが想定されるオートモーティブサプライヤーで、EV関連の部品や静粛性ニーズを取り込んだ製品開発を計画、さらにレディーバードの収益寄与もあり、増収大幅増益を見込んでいる。プロフェッショナル・ソリューション事業では、ITコンサルティングの好調継続に加え、協働ロボットの導入を支援するRX(ロボットトランスフォーメーション)やIoTツールにより製造現場を改善するKX(カイゼントランスフォーメーション)、外資系IT企業との提携によるERP導入などのサービスも開始、クロスセルを活用して柔軟かつ迅速なソリューション提供を目指しており、大幅増収・増益(黒字転換)を見込んでいる。インベストメント事業では、高齢化の進展で事業承継ニーズが一層高まるなか、引き続きフロー型投資と共同ファンドにより事業承継支援を推進する計画で大幅増収を予想するが、積極採用により減益となる見込みである。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
《HN》
提供:フィスコ