セレンディップ Research Memo(5):M&Aによる非連続的成長とオーガニックな成長を実現するビジネスモデル
■中期経営計画
2. ビジネスモデル
そうした日本の中堅・中小企業の課題に対する解答の1つが、セレンディップ・ホールディングス<7318>の事業承継トータルソリューションである。そして、事業承継トータルソリューションのベースになっているのが、同社の展開する3事業を背景に構築された、M&A実行基盤、経営管理基盤、モノづくり基盤という3つの基盤によるモノづくり事業承継プラットフォームである。なお、M&A実行基盤は、グループインを目指したロールアップ型M&Aや新規事業への投資などの長期投資、バリューアップしてエグジットするフロー型投資、ファンドを通じた投資という、成長戦略やオーナー経営者のニーズに合わせた3つの投資モデル、およびエリアをカバレッジするメガバンクや地方金融機関、ファンドとのアライアンスで構成される。経営管理基盤は、財務・法務面のみならず経営変革全般に主眼をおいたデューデリジェンス、プロ経営者チームによる経営支援、同社によるバックオフィス業務支援からなる。モノづくり基盤は、見える化、標準化、省人化を通じた品質や生産性の向上と研究開発投資のセットからなる。
こうした経営と投資の両面を併せ持つユニークなプラットフォームによって、中堅・中小製造業のオーナー経営者に対し、自身の高齢化にはM&Aによる事業承継、日本のマーケット縮小には海外進出、環境対応など時代変化には高付加価値領域や新領域への進出、現場の高齢化や人手不足、低生産性にはスマート化やDX化、管理・企画機能の弱さには同社によるグループ経営支援といったソリューションを提供している。また、このプラットフォームは同社にとっても、M&A実行基盤による非連続的成長と、経営管理基盤とモノづくり基盤によるオーガニックな成長を同時に実現するためのビジネスモデルになっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
《HN》
提供:フィスコ