橋本総業HD Research Memo(3):拡大余地の大きい特需部門や積算・設計など新領域を強化
■会社概要
3. グループ企業の動き
橋本総業ホールディングス<7570>の営業ルートは主に2次卸や工事店を販売先とするルート営業部門と、ゼネコンやサブコン、住宅メーカー向けの特需営業部門に分けられる。特需部門は売上高全体の10%ほどを占め、管材や住宅設備機器といった資材を販売するだけでなく、施工や現場管理の提案・対応、鋼管や樹脂管の切断・加工など、建築工事における幅広いニーズに対応している。こうしたニーズにはサブコン向けを得意とする大和や、橋本総業の各地特需部門がそれぞれ対応していたが、拡大余地の大きい領域であることから、2020年9月に大和と橋本総業関西特需部門を統合し、関西地区の特需部門強化を図った。また、2023年1月には特需部門のさらなる事業成長と意思決定の迅速化を目的に橋本総業ファシリティーズを設立、同年4月に橋本総業の特需部門を統合・承継した。橋本総業ファシリティーズを強化することで、特需部門の売上高構成比の引き上げを図る。
同社はタイでの事業も活発に展開している。2020年6月にHASHIMOTO SOGYO (THAILAND) CO.,LTD.を設立し、富裕層物件のリノベーションや、物件引き渡し直前に行う品質管理サービスなどを行ってきたが、加えて、タイに本社がある図面製作会社SHOH PLANNINGと提携し、積算・設計事業に乗り出した。もともと積算や設計は中国で行われることが多かったが、中国の人件費が高騰していることを受け、東南アジア、なかでも教育水準の高いタイに白羽の矢を立てた。SHOH PLANNINGは橋本総業ファシリティーズと連携して、取引先からの受注を基にSHOH PLANNINGが作成した設計図により橋本総業ファシリティーズに加工を指示し、橋本総業ファシリティーズがプレカットして現場に送る。同社にとって、構造計算や省エネ計算など卸売業以外の新たなサービス領域への進出となる。このほか、タイで最も歴史のある国立大学であるチュラロンコン大学と産学連携協定を締結した。卒業生を対象にインターンなどを実施して人材の獲得につなげ、HASHIMOTO SOGYO (THAILAND) CO.,LTD.がタイで手掛ける住宅設備事業や、SHOH PLANNINGと連携した積算・設計事業を強化する。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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提供:フィスコ