ヤマタネ Research Memo(2):グループ創業100周年を迎える総合サービス企業
■会社概要
ヤマタネ<9305>は1924年7月3日(大正13年)に山崎種二が廻米問屋として創業し、2025年3月期にグループ創業100周年を迎えた。コメ卸売販売の食品事業を祖業に、大きく変動する社会情勢、市場のニーズに応え、事業領域を拡大しており、現在は「物流(国内物流・国際業務)」「食品(コメ卸売販売・加工食品卸売販売)」「情報(メインフレームの技術支援やソフトウェアの開発・販売・サポート)」「不動産(オフィスビルを中心とした不動産賃貸)」と4つの事業を展開する総合サービス企業である。
創業者山崎種二氏は、人の信用を得ることがすべての基本との想いから、「信は万事の本を為す」の言葉を信奉した。あらゆる面で誠実に実行することで大きな信用を得て、同社の基盤を築きあげており、同社の企業理念として現在も引き継がれている。また、創業者は、江戸時代中期の大名である上杉鷹山の名言「働き一両 考え五両」を常に意識し、行動した。「ただ体ばかりで他人並みのことをしてもたいした者にはならない、頭を使うことで何倍もの成果を出すことができる」という意味の名言のもと、同社は深いつながりがある4つの事業をさらに融合させていくことで、新たなサービスを創出していく考えである。
同社は、1950年10月に東京証券取引所に上場した。倉庫会社の吸収合併を皮切りに営業所(倉庫拠点)の新設を進め物流事業を拡大し、1962年10月には不動産事業に進出した。1989年10月に山種米穀(株)と合併した後、1995年8月に社名を現在の「(株)ヤマタネ」に変更した。1993年2月に国際航空運送協会(IATA)代理店資格を取得し、同年10月に国際引越協会(OMNI)に加入して国際物流の基盤を築き、1998年3月にはSBS輸入商社資格を取得しさらなる強化を図った。2022年4月に食品輸送に特化した冷凍・常温輸送を手掛ける(株)シンヨウ・ロジを、2023年10月には総菜を中心に冷凍・冷蔵・常温の3カテゴリ5つのオリジナルブランドを展開する食品総合流通のショクカイを子会社化した。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
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提供:フィスコ