貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
日経平均株価の構成銘柄。同指数に連動するETFなどファンドの売買から影響を受ける側面がある
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8766 東京海上

東証P
5,817円
前日比
+136
+2.39%
PTS
5,809.6円
21:46 11/25
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
12.8 2.11 2.78 11.78
時価総額 115,060億円
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【杉村富生の短期相場観測】 ─セリングクライマックスは通過したが……


「セリングクライマックスは通過したが……」

●複合暴落だが、主因は日銀(植田)ショック!

 まさに、日銀(植田)ショックである。市場との対話を欠いた突然の利上げ(0.25%)が急激な円高を誘発、大規模な円キャリートレードの巻き戻し(総額5000億ドルのうち、約8割が株売り、円買いに走る)を引き起こした。もちろん、巨大IT企業の株価急落、アメリカ景気の減速懸念、中東情勢の緊迫化(地政学上のリスク)があったと思う。

 8月5日の日経平均株価は4451円安と暴落、下落率は-12.4%に達した。下落幅は史上最大、下落率は歴代5位のスターリン暴落(1953年3月5日の-10.0%)、4位の東日本大震災直後(2011年3月15日の-10.5%)、3位のリーマン・ショック(2008年10月16日の-11.4%)を上回る。歴代2位である。

 ちなみに、下落率の第1位はブラックマンデー(1987年10月20日の-14.9%、下落幅は3836円)だ。今回の暴落がいかに、歴史的な出来事だったか、理解できるだろう。ただ、セリングクライマックスは過ぎた。とはいえ、今後は「登り峠の茶屋、麓の温泉」のセオリーに沿って、2~3カ月の“値固め”が必要になろう。

 なお、日経平均株価(ザラバベース)は7月11日の4万2426円を高値に、8月5日には3万1156円まで売り込まれた。下落幅は1万1270円、下落率は26.6%だ。売られすぎである。1円の円高が日経平均株価を400円押し下げる、との経験則(計算上28円の円高)に従えばドル・円は1ドル=134円の水準を織り込んだことになる。

 計算式は11270÷400=28、161.99-28=134(133.99)だ。もちろん、今回の暴落が複合要因の積み重ねだったのは十分に承知している。ただ、筆者が指摘したいのは株価が極端な“前提”を条件に理不尽に売られたという事実である。だからこそ、セリングクライマックスは通過した、と主張している。

●TOPIXは10回の利上げを織り込む?

 TOPIX(終値ベース)は8月1日、2日、5日の3日間に567ポイント、20.3%下落した。1回の利上げはTOPIXを「1.6~2.0%下落させる」といわれている。20%の下落は10回の利上げを織り込んだ、といえないか。政策金利は2.5%水準である。これは日銀のシナリオ(早急に0.5%、長期的に2.0~2.5%に)と合致する。

 これまた、行きすぎだろう。実際、日銀の内田副総裁は「内外の金融資本市場の急激な変動がみられるもとで当面、現在の水準で金融緩和をしっかり続けていく必要がある」(8月7日)と語っている。これは財務省、金融庁、日銀による三者会談の総意(9月利上げは消えた)だろう。あとは植田日銀総裁のハト派変節が求められる。

 さて、この局面での投資作戦・戦術は? まず、ここは引き続いてNEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信 <1570> [東証E]の突っ込み買い、吹き値売り戦法を提案する。7月11日の3万3650円(最低売買単位1株)を高値に、8月5日には1万8885円の安値まで売られた。目先、2万6000円までは戻るだろう。

 個別銘柄はどうか。大商いの三菱重工業 <7011> [東証P]、KOKUSAI ELECTRIC <6525> [東証P]、東京海上ホールディングス <8766> [東証P]は狙える。好業績のフジクラ <5803> [東証P]、深押しの野村ホールディングス <8604> [東証P]は材料豊富だ。ここは絶好の買い場提供局面、と判断する。

 小物ではArent <5254> [東証G]、名村造船所 <7014> [東証S]、住信SBIネット銀行 <7163> [東証S]が強い。セリア <2782> [東証S]は生活防衛関連だ。先日、銀座店をのぞいてみたが、外国人観光客でにぎわっていた。ワークマン <7564> [東証S]、GENDA <9166> [東証G]は猛暑関連との切り口がある。

2024年8月9日 記

株探ニュース

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