ワコム---1Qは2ケタ増収増益、テクノロジーソリューション事業が好調に推移
ワコム<6727>は29日、2025年3月期第1四半期(24年4月-6月)連結決算を発表した。売上高が前年同期比20.9%増の291.75億円、営業利益が同198.1%増の25.25億円、また、営業外収益の為替差益として同39.1%減の11億円を計上した影響も含め、経常利益が同37.1%増の36.43億円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同30.4%増の26.84億円となった。
ブランド製品事業の売上高は前年同期比4.8%減の74.44億円、セグメント損失は8.83億円(前年同期は6.80億円の損失)となった。主力のクリエイティブソリューションは、プロ向け以外の商品を中心に需要回復の遅れや他カテゴリーへの需要シフトなど市場環境の変化による影響を受けるなか、プロ向けモデルのラインアップ拡充による販売への貢献が見られたものの、ディスプレイ製品、ペンタブレット製品ともに販売が減少し、全体の売上高は前年同期を下回った。ビジネスソリューションは、流動的な市況や案件進捗の動向の影響を受けつつも、全体の売上高は、前年同期を上回った。セグメント損失は、販管費の削減を進めるも、減収による粗利減及び為替円安によるマイナス影響(主にドル建て費用の円安換算影響)等を含めて前期から拡大した。
テクノロジーソリューション事業の売上高は前年同期比33.2%増の217.31億円、セグメント利益は同75.6%増の48.37億円となった。AESテクノロジーソリューションは、市場環境の変化による影響を受けつつも、全体の売上高は、前年同期を上回った。EMRテクノロジーソリューションは、OEM提供先の需要が増加したことから、全体の売上高は、前年同期を大幅に上回った。セグメント利益は、増収による粗利増に加えて、為替円安によるプラス影響(売上高及び売上原価ともに主にドル建て取引による粗利の円安換算影響)等を含め、前期を上回った。
2025年3月期通期の連結業績予想については、売上高が前期比1.0%増の1,200.00億円、営業利益が同20.4%増の85.00億円、経常利益が同13.7%減の85.00億円、親会社株主に帰属する当期純利益が同35.9%増の62.00億円とする2024年5月9日付の期初計画を据え置いている。
《SO》
提供:フィスコ