貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
日経平均株価の構成銘柄。同指数に連動するETFなどファンドの売買から影響を受ける側面がある
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8804 東京建物

東証P
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21:55 11/27
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超高齢化社会でニーズ激増、商機とらえる「高齢者住宅」関連に熱視線 <株探トップ特集>


―有料老人ホーム、サ高住の増加続く、2025年問題間近に迫り注目度も上昇―

 少子高齢化が進む日本において、介護へのニーズはますます高まっている。来年には「団塊の世代」全てが75歳以上となる「2025年問題」も間近に迫っており、介護関連ビジネスは今後更にニーズが高まることが予想される。

 そうしたなか、高齢者住宅もニーズの高まりが予想される分野であり、施設数も引き続き増加傾向にある。関連銘柄のビジネスチャンスも拡大が続きそうだ。

●「2025年問題」は超高齢化社会の入り口

 改めて日本の高齢化の現状を見てみたい。総務省が7月24日に発表した住民基本台帳に基づく今年1月1日現在の国内の人口で、日本人は1億2156万1801人と前年に比べて86万1237人(0.7%)の減少となり、09年をピークに15年連続で減少した。そのうち、65歳以上の人口は3571万1738人で、前年に比べて2万6355人(0.1%)の増加となった。65歳以上の人口は調査を開始した1994年以降毎年増加。23年に初めて減少に転じたが、24年に再び増加している。また、日本人住民全体に占める割合は29.38%となり、前年比0.23ポイント上昇して過去最高となった。

 高齢者の人口は今後も増加すると予測されており、30年以降は総人口に対する割合は30%を超えるとみられている。更に、40年までは高齢者の数が増加し続けていくと予想されるため、「高齢化のスピード」に「高齢者率の高さ」が加わることになる。25年には「団塊の世代」全てが75歳以上となることから「2025年問題」が話題となっているが、これは超高齢化社会の入り口に過ぎない。

●有料老人ホーム10年前に比べ2.3倍

 高齢化社会の進展を受けて、増加しているのが 高齢者住宅だ。

 厚生労働省の「令和4年社会福祉施設等調査の概況」によると、22年10月1日時点の有料老人ホーム(サービス付き高齢者向け住宅以外)は1万7327施設となり前年比で3.6%増となった。10年前の12年が7519施設だったことを考慮すると10年間で2.3倍に増加したことになる。

 ここでいう有料老人ホームとは、介護などのサービスがついた介護付き有料老人ホーム、生活支援などのサービスがついた住宅型有料老人ホーム、食事などのサービスがつき要介護になった場合には退去しなければならない健康型有料老人ホームの3種類をいう。かつてこれらの有料老人ホームといえば、高額の入居一時金を必要とする施設が多かったが、00年に介護保険制度が創設されて以降、社宅や寮を改修し、手頃な価格で入居が可能な施設が増えており、これも施設数全体の増加につながったようだ。

●ニーズの高まりと国の後押しで増えるサ高住

 一方、前述の有料老人ホームに含まれないサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)も増加している。サ高住とは、主に介護度が低い高齢者が自宅とほぼ同様の自由度の高い暮らしを送りながら、スタッフによる安否確認と生活相談のサービスを受けることができる賃貸住宅のこと。高齢者住宅協会によると24年6月末時点のサ高住の登録数は28万7687戸で、10年前の14年6月末時点の15万1667戸に比べて約9割増加した。地価の高騰や介護人材不足から近年では伸び率は鈍化しているものの、こちらも11年10月の「サービス付き高齢者向け住宅」の制度創設から増加の一途をたどっている。

 特に国は、介護について「施設から在宅へ」の方針を掲げており、「在宅」の扱いとなるサ高住については25年に60万戸まで整備する目標を掲げ、開設には補助を行っている。ニーズの高まりと国の後押しを追い風に、今後も増加を続けそうだ。

●高齢者住宅の関連銘柄

 そこで今回は、有料老人ホームとサ高住に関連した銘柄に注目したい。

 アズパートナーズ <160A> [東証S]は、シニア事業と不動産事業を展開しており、シニア事業では首都圏で有料老人ホームを今年4月1日時点で27カ所運営しており、スタッフや入居者家族に利便性の高い国道16号線内側に集中出店(ドミナント展開)しているのが特徴だ。また、不動産事業とのシナジーを図ることも特徴で、自社開発の場合は、運営開始後に有料老人ホームの土地建物を売却し、不動産事業として収益を計上しており、業績を順調に拡大させている。

 チャーム・ケア・コーポレ―ション <6062> [東証P]は、首都圏・近畿圏で有料老人ホームを運営しており、今年5月1日時点で89ホームを運営。また、年間10ホーム以上の開設を目標に規模を拡大中だ。21年11月には有料老人ホーム4ホームを運営するライクを買収。7月22日には、同業で「プレザン」ブランドの有料老人ホームを展開するケア21 <2373> [東証S]から有料老人ホーム事業の一部を譲り受けると発表するなどM&Aにも前向きで、26年6月期には118ホームの展開を目指している。

 SOMPOホールディングス <8630> [東証P]は、15年12月にワタミ <7522> [東証P]の介護子会社ワタミの介護を、16年3月にメッセージをそれぞれ買収することで介護事業に本格的に参入した。更に20年12月には東京建物 <8804> [東証P]からサ高住など高齢者住宅を展開する東京建物シニアライフサポートを買収するなど、買収攻勢で高齢者住宅事業を拡大。現在、介護事業を手掛けるSOMPOケアはシニアリビング居室数トップを誇る。

 学研ホールディングス <9470> [東証P]は、高齢者住宅事業としてサ高住を中心とした介護サービス拠点の開発・運営を行うほか、認知症グループホームを中心とした介護サービス拠点の開発・運営を手掛けており、今年1月1日時点の拠点数はFC含め全国に208事業所を展開。特にサ高住「ココファンシリーズ」は184事業所を運営している。サ高住を積極的に新設するなど業界のなかでも開発意欲が旺盛なのが特徴だ。

 このほか、有料老人ホームを今年3月末時点で44カ所運営しているシダー <2435> [東証S]や、「ハーモニーハウス」や「ライフケア」ブランドの有料老人ホームを運営するメディカル一光グループ <3353> [東証S]、「アンジェス」ブランドで関西圏を中心にサービス付き高齢者向け住宅を運営するT.S.I <7362> [東証G]も関連銘柄として名前が挙がりやすい。

●高齢者住宅紹介サービスにも注目

 また高齢者住宅は、有料老人ホームやサ高住などさまざまな種類があり、詳細や違いを認識するのは一般的に難しい。更に高齢者にとってのそれぞれに適した住環境や立地、金銭的負担の許容度合いなどの個別事情があり、利用者が独自に自分に適した高齢者住宅を見つけるのは至難の業だ。

 そうした高齢者住宅に関する有益な情報を利用者本人や家族に向けて情報提供するのが高齢者住宅を紹介する事業で、関連銘柄の一角といえる。LIFULL <2120> [東証P]は老人ホーム・介護施設検索サイト「LIFULL介護」を、また鎌倉新書 <6184> [東証P]は介護施設・老人ホーム検索サービスの「いい介護」を運営している。一方、笑美面 <9237> [東証G]は対面で高齢者施設の紹介を行うほか、入居の手続き代行や引っ越し支援なども実施しており、これらも注目したい。

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