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3034 クオールHD

東証P
1,471円
前日比
+15
+1.03%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
11.0 1.02 2.31 93.38
時価総額 572億円
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クオールHD Research Memo(1):第一三共エスファの子会社化で業績は大きく飛躍


■要約

クオールホールディングス<3034>は大手調剤薬局チェーンの1社で、調剤薬局店舗数で第2位、売上高で第3位(上場企業ベース)の位置にある。調剤以外の分野では、CSO※1事業や医療系人材紹介派遣事業、医薬品製造販売事業等を展開している。2023年10月にオーソライズジェネリック製品(以下、AG製品※2)を主に展開する第一三共エスファ(株)の株式を30%取得し持分法適用関連会社としたのち、2024年4月に21%の株式を追加取得して連結対象子会社とした。数年後に完全子会社化する予定で、株式取得資金の総額は250億円となるが金融機関からの借入れと手元資金で充当していく予定となっている。

※1 CSOとはContract Sales Organization(医薬品販売業務受託機関)の略で、CMR(契約MR(Medical Representative、医薬情報担当者))の派遣業務を指す。
※2 AG製品とは新薬メーカーから許諾を得て、原薬、添加物及び製法等が新薬と同一のジェネリック製品を指す。


1. 2024年3月期は減益となるも売上高は過去最高を更新
2024年3月期の連結業績は、売上高で前期比5.9%増の180,052百万円、営業利益で同12.3%減の8,324百万円と増収減益となった。売上高は、主力の保険薬局事業が同6.3%増と順調に拡大したことにより、3期連続で過去最高を更新した。一方、利益面では保険薬局事業が仕入マージン悪化や地域支援体制加算の経過措置終了に伴う技術料単価の低下を主因として同6.7%減益となったほか、医療関連事業も医薬品製造販売子会社の収益悪化が響いて同25.9%減と両事業ともに減益となった。

2. 2025年3月期はM&A効果もあり大幅増収増益の見通し
2025年3月期の連結業績は売上高で前期比50.0%増の270,000百万円、営業利益で同80.2%増の15,000百万円と大幅増収増益を見込む。既存事業の拡大に加えて、新たに子会社となる第一三共エスファの業績が売上高で825億円、営業利益で70億円上乗せされることが要因だ。保険薬局事業は地域支援体制加算の取り組みを強化するとともに、M&Aも含めた新規出店効果により売上高で約5%増、営業利益で約10%増を見込む。また、CSO事業や医療系人材紹介派遣事業についても増収増益となる見通しだ。

3. 2027年3月期に営業利益240億円を目指す
同社は3ヶ年の中期業績目標として、2027年3月期に売上高3,072億円、営業利益240億円を掲げた。保険薬局事業では新規出店・M&Aによる出店拡大により年率4%超の売上成長と、地域のかかりつけ薬局としての機能強化やDX推進により収益性向上に取り組む。医薬品製造販売事業では第一三共エスファで売上高1,000億円、営業利益120億円を目指す。毎年3?4製品のAG新製品を投入していくほか、原価率改善や販管費にゼロベースでの見直しを実施することで収益拡大を目指す。医療関連事業は旺盛な人材需要を追い風に、オーガニックで年率10%の売上成長を見込む。3つの事業それぞれを拡大していくことで、医薬品の研究開発から製造販売、医療系人材サービス、調剤薬局までをカバーする総合ヘルスケアカンパニーとしてサステナブルな社会の実現に貢献していく考えだ。

4. 2025年3月期よりセグメント区分を変更
同社は2025年3月期第1四半期より、事業活動の実態をより適切に表すため、報告セグメントをこれまでの保険薬局事業、医療関連事業の2区分から、薬局事業、BPO事業、製薬事業の3区分へ変更する。従来のセグメント区分では医療関連事業に含まれていた医薬品製造販売事業(藤永製薬(株))は、新セグメント区分では、2025年3月期第1四半期より連結子会社となった第一三共エスファとともに、製薬事業となる。

■Key Points
・2024年3月期は原価率上昇が響き減益となるも売上高は過去最高を更新
・2025年3月期は第一三共エスファの子会社化により過去最高業績を大幅に更新する見通し
・3つの事業それぞれを伸ばし、総合ヘルスケアカンパニーとして2027年3月期に売上高3,072億円、営業利益240億円を目指す
・2025年3月期第1四半期より報告セグメントを変更する

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《HN》

 提供:フィスコ

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