フェローテク Research Memo(6):高水準の設備投資続き、資産は大幅増新株予約権付社債発行で250億円を調達
■業績動向
(2) 財務状況
フェローテックホールディングス<6890>の2024年3月期末の財務状況は、流動資産は248,408百万円(前期末比33,067百万円増)となった。主に現金及び預金の増加14,139百万円、受取手形、売掛金及び契約資産の増加8,664百万円、たな卸資産の増加7,732百万円による。現金及び預金が増加したのは、新規に設立した麗水センサ子会社、マレーシア新会社などによる。売上増加に伴い売上債権及び棚卸資産が増加した。固定資産は261,618百万円(同66,312百万円増)となった。主に設備投資による有形固定資産の増加61,729百万円、無形固定資産の減少338百万円(主にのれんの減少294百万円)、投資その他の資産の増加4,921百万円(主に、投資有価証券の増加2,912百万円、その他の増加2,454百万円など)であった。その結果、資産合計は510,026百万円(同99,378百万円増)となった。
負債合計は231,860百万円(前期末比70,869百万円増)となった。主に支払手形及び買掛金の減少2,190百万円、短期借入金の増加6,076百万円、1年内返済予定の長期借入金(社債含む)の増加5,197百万円、社債の減少3,763百万円、転換社債型新株予約権付社債の増加25,000百万円、長期借入金の増加35,932百万円による。これにより、期末の有利子負債は135,160百万円(同68,442百万円増)となった。また純資産合計は278,166百万円(同28,510百万円増)となった。主に親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加10,225百万円、円安による為替換算調整勘定の増加8,839百万円、その他有価証券評価差額金の増加982百万円などによる。この結果、期末の自己資本比率は40.1%(前期末44.7%)となり、目標である40%超を維持した。
(3) キャッシュ・フローの状況
2024年3月期の営業活動によるキャッシュ・フローは28,720百万円の収入であった。主な収入は税金等調整前当期純利益の計上26,146百万円、減価償却費16,398百万円、持分法による投資損益3,742百万円などで、主な支出は、持分変動損益710百万円、売上債権の増加4,919百万円、たな卸資産の増加5,177百万円、仕入債務の減少4,472百万円による。投資活動によるキャッシュ・フローは92,400百万円の支出であった。主に定期預金の増加による支出14,065百万円、有形固定資産の取得による支出74,489百万円、投資有価証券の取得による支出2,098百万円による。財務活動によるキャッシュ・フローは60,419百万円の収入であった。主な収入は長短借入金の増加(ネット)46,186百万円、転換社債型新株予約権付社債の発行による収入24,898百万円、非支配株主からの払込みによる収入5,183百万円で、主な支出は社債の償還4,723百万円、配当金の支払額4,925百万円であった。
以上から2024年3月期の現金及び現金同等物は901百万円増加し、期末残高は96,806百万円となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
《HN》
提供:フィスコ