セレコーポレーション---24年2月期は増収・2ケタ増益、期末配当金の増配を発表
セレコーポレーション<5078>は12日、2024年2月期連結決算を発表した。売上高が前期比8.1%増の231.03億円、営業利益が同32.8%増の16.37億円、経常利益が同32.2%増の16.58億円、親会社株主に帰属する当期純利益が同30.0%増の11.09億円となった。
賃貸住宅事業の売上高は前年同期比3.9%減の94.47億円、セグメント利益は同11.0%減の6.39億円となった。当年度における営業活動は、賃貸管理契約が見込め管理受託数の拡大に繋がる紹介先の開拓に努め、より多くの顧客の引き合いが可能な優良物件の見学会の開催を推進したほか、新たなパートナーズ組織及び金融機関との関係強化等、新規情報源の開拓に注力した。また、原価高騰への対策として、生産性向上に努めたほか、購買先の多角化、新型式の運用開始による原価低減、賃貸経営事業との連携強化による賃料への適正な価格転嫁を実施した。新商品販売に向けた取り組みとしては、新たな空間設計による付加価値と独自性の高いアパートの開発・研究を推進し、若者たちの思考・居住性・多様性や利便性について共立女子大学とアパートの暮らしをテーマとした共同研究、千葉工業大学及び東京理科大学と遮音性能向上に関する共同研究を行ってきた。当年度における引き渡し棟数の実績は75棟(計画86棟)、着工棟数の実績は84棟(計画87棟)となり、引き渡し棟数が好調であった前期並の水準には至らなかったものの、セグメント利益は計画を達成した。
賃貸開発事業の売上高は同28.7%増の50.52億円、セグメント利益は同79.1%増の7.50億円となった。当年度における営業活動は、外部設計事務所を起用することで、新規仕入物件における空間設計仕様、外観・外構計画を改善し、賃料設定の見直しに取り組んだ。さらに、「住宅性能表示制度」における評価項目の一つである耐震等級について、その最高基準である耐震等級3を同社建築物件の標準仕様とすることで、付加価値を向上してきた。加えて、脱炭素社会に向けて全物件に「東京ゼロエミ住宅」仕様を採用し、高い断熱効率を実現し好評を博した。その他、富裕層が好む資産価値・希少性の高い角地にターゲットを絞り込んだ仕入活動、販売手法の見直しによる資金効率の改善に取り組んだ。その結果、積極的な営業活動により計画外の販売実績を確保できた。
賃貸経営事業の売上高は同6.6%増の93.23億円、セグメント利益は同15.4%増の11.01億円となった。当年度においては、前期から引き続き賃貸住宅事業と協働してアパートの企画・設計の段階から受託営業活動に注力した結果、当年度末の管理戸数は12,314戸(前期末比271戸増)となった。また、新たにオーナー向けのステータス別サービスの運用を開始しオーナーの満足度の向上に努めたほか、外部の賃料AI査定システムを活用しオーナー目線での資産価値の向上を図る積極的な提案等、オーナーとの対話を通して信頼関係の構築に努め、リピート受注や賃貸管理業務のリプレースによる管理戸数の増加を目指してきた。加えて、専任の賃貸仲介協力業者の組織「セレリーシングパートナーズ」において、委託契約の内容見直しにより協力業者との関係強化を一層図り、さらにメンテナンス協力業者の組織「セレメンテナンスパートナーズ」の協力のもと、スピーディーな修繕対応を実現する新定額精算商品「セレスマートリペアシステム」を販売開始する等、ゲスト(入居者)及びオーナーの満足度につながるサービス面の維持・向上に努めた結果、高水準の入居率(2024年2月末で98.5%)を維持することができた。
2025年2月期通期の連結業績予想については、売上高が前期比8.2%増の249.93億円、営業利益が同7.6%増の17.62億円、経常利益が同6.4%増の17.64億円、親会社株主に帰属する当期純利益が同7.1%増の11.87億円を見込んでいる。
また同日、2024年2月期の業績が好調であったことから、期末配当金について、直近の配当予想より25.00円増配の1株当たり105.00円とすることを発表した。
《SI》
提供:フィスコ