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【特集】桂畑誠治氏【中東リスク再燃、日米株急落でここからの展望は】(1) <相場観特集>

桂畑誠治氏(第一生命経済研究所 主任エコノミスト)

―売り仕掛けで一時3万9000円割れも下値では押し目買い―

 週明け15日の東京株式市場は日経平均株価が急反落、朝方は700円以上の急落で3万8800円台まで突っ込む場面があった。中東での地政学リスク増大を背景に米株市場が急落し、東京市場もその影響を受けた形だ。ただ、売り一巡後は徐々に戻り足をみせるなど押し目買い需要の強さも観測された。3万9000円近辺は強気に対処すべきか、あるいは今しばらく様子を見るところか。ベテラン市場関係者2人に今後の株式市場の展望や物色の方向性などについて話を聞いた。

●「目先不安定な値動きも4万円台回復が視野」

桂畑誠治氏(第一生命経済研究所 主任エコノミスト)

 東京株式市場は週明けにリスク回避目的の売りがかさみ、日経平均は大きく下値を試す展開となったが、足もとでは中東情勢を横にらみに神経質な地合いが続きそうだ。直近イラン側からイスラエルに対してイラン大使館攻撃に対する報復攻撃が行われたが、これはある程度予想された動きであった。大規模攻撃とはいえ、イスラエルの迎撃が利いて被害は限定的なものにとどまった。

 バイデン米政権は今回の報復攻撃に対抗してイスラエルがイランを再び攻撃することを支持しない意向を示しており、仮にイスラエル側がこのまま動かなければ、とりあえず新たな戦火が広がることへの懸念は後退する。中東情勢が今より一段と悪化する可能性が低まり、株式市場にとっても地政学リスクによる下落圧力は軽減されることになりそうだ。

 ただ、問題は二次的なネガティブ材料として原油価格の上昇局面が継続する可能性があることだ。原油価格高騰はコストプッシュ型のインフレを助長し、米長期金利の上昇要因となる。FF先物が織り込む6月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げの可能性は、22.4%まで低下しており同会合での利下げの公算は小さくなった。もし、コアインフレが下げ渋れば利下げ開始が更に遅れ、マーケットの楽観シナリオは一段の修正を迫られる。その場合は米株主導で東京市場も軟調な値動きを強いられるケースが考えられる。

 一方、企業業績については日米ともに良好との見方が優勢で、これから本格化する企業の決算発表は株式市場にポジティブに作用する可能性がある。その意味で外部要因から下押す場面は買い向かうチャンスともなる。スケジュール的には今月26日の米PCEデフレーターと4月末から5月1日にかけて行われるFOMCがポイントだ。次回FOMCでの政策金利の据え置きは濃厚ながら、声明文と会合後のパウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長の記者会見が注目される。

 日経平均のレンジとしては3万8200円~4万700円のゾーンを予想している。目先不安定な値動きだが、不透明感が緩和されれば4万円台復帰も視野に入る。また、物色対象としては半導体部材・部品関連の押し目に着目しておきたい。このほか、インバウンド効果を取り込める消費関連の一角も狙い目となる。

(聞き手・中村潤一)

<プロフィール>(かつらはた・せいじ)
第一生命経済研究所 経済調査部・主任エコノミスト。担当は、米国経済・金融市場・海外経済総括。1992年、日本総合研究所入社。95年、日本経済研究センターに出向。99年、丸三証券入社。日本、米国、欧州、新興国の経済・金融市場などの分析を担当。2001年から現職。この間、欧州、新興国経済などの担当を兼務。

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