タナベ Research Memo(11):資本コストを上回るROEの向上を重要な経営課題の一つとして設定
■株主還元
タナベコンサルティンググループ<9644>は2023年2月に株主還元方針の変更を発表した。2026年3月期まで連結総還元性向100%目安という大胆な株主還元方針を掲げており、DOE(株主資本配当率)6%以上の安定的な配当を継続し、また機動的な自己株式の収得も実施するとしている同方針に基づき、2024年3月期の1株当たり配当金は前期比2.0円増配の44.0円(配当性向98.7%)と3期連続の増配とする予定だ。また、自己株式取得についても2023年5月から10月までで395千株を399百万円で取得しており、2024年3月期の連結総還元性向は147.6%となる見込みだ。同社では、今後も業績計画を着実に達成していくことで、増配を継続することを目標としている。
なお、同社は2022年4月の東証市場再編に伴いプライム市場に移行した。移行基準日(2021年6月30日)時点では流通株式時価総額基準(100億円)や1日平均売買代金(20百万円)において基準を満たしていなかったが※、2023年3月末時点では流通株式時価総額で104.6億円と基準をクリアしており、1日平均売買高についても算定基準日である2023年12月31日において基準を達成し、すべての項目が上場維持基準に適合した。今後も中期経営計画の実行による業績拡大と、積極的なIR・SR・PR活動による認知度向上を図ることで、上場維持基準を継続的にクリアする考えだ。
※流通株式時価総額は81.1億円、1日平均売買代金は6百万円だった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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提供:フィスコ