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9644 タナベCG

東証P
1,186円
前日比
-17
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PTS
1,200.1円
10:53 11/27
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
24.4 1.83 3.96
時価総額 208億円
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タナベ Research Memo(9):5つの成長モデルの推進と人的資本強化で持続的成長が可能な収益基盤を構築(1)


■今後の見通し

3. 成長戦略
タナベコンサルティンググループ<9644>は「One & Only 世界で唯一無二の経営コンサルティンググループ TCGの創造」を実現するため、5つの成長モデルの実装と人的資本マネジメントを推進し、また、持続的な成長を実現するためのコーポレート戦略に取り組んでいる。

(1) TCG5つの成長モデルの実践
a) プロフェッショナルDXサービスモデル
同社のコアバリューである「経営戦略の策定機能」を深化させるとともに、プロフェッショナルDXサービスのメニューをグループ会社などと協業しながら拡充することで売上成長を図る。2024年3月期は「サービス業 DX Cloud-経営プラットフォームコンサルティング」の提供を開始したほか、「グループマネジメントシステム構築コンサルティング」をリニューアルした。

b) C&C開発モデル
同社は「C&C(コンサルティング&コングロマリット)戦略」(経営コンサルティング領域の多角化)を推進している。経営コンサルティング領域の開発の流れについて簡単に説明すると、社会環境などの変化によって新たに生まれてきた経営ニーズや経営課題などについてテーマ化し、それをチームコンサルティングメニューとして商品化、研究会・セミナーを通じてチームコンサルティング組織を組成(コンサルティングセグメンテーション)し、次のステップとしてコンサルティング事業化することになる。ここ数年はM&A戦略も推進しながらコンサルティング領域を拡げており、「専門性」と「総合性」を追求しながら、唯一無二の経営コンサルティング支援モデルを構築する考えだ。

c) マーケティングモデル
ターゲットとする上場企業を含む大企業から中堅企業、地方自治体などに対して、地域密着のリージョナル戦略と独自のマーケティングモデル(経営コンサルティング領域別の専門サイト、各種セミナー、研究会などを導線とした見込み顧客の獲得)によって顧客獲得を図り、経営コンサルティング契約の継続率70%以上を目指す。経営コンサルティング領域別の専門サイトとしては「長期ビジョン・中期経営計画策定」「デジタル・DXの戦略・実装」「HR」「コーポレートファイナンス・M&A」「事業承継・M&A」「ブランディング・戦略PR情報」「政府・公共・サービスコンサルティング」などを運営し、これらサイトを通じてリードを獲得、チームコンサルティング契約の増加につなげており、今後もコンテンツ拡充に取り組む方針だ。

その他にも、CRM部門における既存顧客へのフォローアップ強化によって新たなコンサルティング需要を掘り起こしクロスセル、アップセルにつなげている。

d) チームアップ&パートナー100モデル
「C&C開発モデル」との連動により、既存組織及びチームから新しいリーダーを生み出し、これらリーダー人材をパートナー人材に育成するためのマネジメントシステム(企業内大学による育成プログラムなど)を構築、パートナー人材を50名から100名に増やす(2023年3月期末で71名)。ここで言うパートナー人材とは、コンサルティングチーム(5~10名)をまとめる人材を指す。このため、パートナー人材を100名育成するということは、コンサルティングチームが100チームできることを意味する。特に、地域経済の活性化に貢献すべく、地域エリアでのチーム拡大に取り組む方針で各事業拠点での人員体制強化を進めている。

e) アカデミーモデル
プロフェッショナル人材※の早期育成(目標2年)を目的に、オンライン&リアルを融合した教育研修システム「TCGアカデミー」の拡充を進めている。アカデミー導入後は、チーフコンサルタントへの育成スピードが従前の5年程度から2~3年に短縮するなど既に成果も出始めている。2023年3月期は「TCGリーダーシップ学部」「ストラテジー&ドメイン学部」「HR学部」「コーポレートファイナンス学部」「M&A学部」「マーケティング学部」「CRMコンサルティング学部」「コーディネーター学部」「コンサルアシスタント学部」といったように領域別のアカデミーを新たに創設してグループ会社にも導入し、同システムを活用することでグループ全体の人材育成強化を効率的に進める。

※プロフェッショナル人材とは、チーフコンサルタントとして5社以上を担当し、特定分野のプロジェクトリーダーとなる人材。


(2) 人的資本マネジメント
同社は2026年3月期に連結従業員数800名を目標に掲げており、採用体制を強化して新卒・キャリアの採用数を増やす計画である。キャリア採用では業界に精通した実務経験者を採用するほか、地域事業所での体制強化を図るべくIターン、Uターン採用にも注力する方針だ。従前と比較して経営コンサルティング領域が拡がったことで、募集時の職務内容も細分化して提示することが可能となり、実務経験者からの応募も増加傾向にある。ホールディングス化を契機にグループマネジメントチームを作り、グループ採用についても強化している。2024年3月期の実績としては新卒採用で17名程が入社し、中途採用は60~70名を予定している。2025年3月期は新卒入社で20名程度を計画しており、中途採用も強化し年間で10%以上のペースで増員する計画である。また、M&Aを実施した際には、事業会社が増えることによる増員も見込まれる。

経営コンサルティング事業では人材が売上のベースとなるため、人員増が計画どおり進むかどうかが中期業績目標達成のカギを握ると言っても過言ではない。このため、2024年3月期第2四半期累計で採用者数が計画を上回ったことはポジティブに評価される。同社では採用強化に加えて、TCGアカデミーによる効率的な人材育成、並びに多彩なプロフェッショナルが活躍できる職場環境づくりの推進(ジョブ型コース別人事制度の導入やDX投資による働く環境の整備と生産性向上)により、優秀な人材の定着率向上に取り組むことで2026年3月期に800名の達成を目指す(現状の定着率は3年平均で89.0%と業界では高水準)。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《SI》

 提供:フィスコ

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