propetec Research Memo(2):テクノロジーに強いマンション買取再販企業
■会社概要
1. 会社概要
property technologies<5527>は、北海道から沖縄までの主要都市部において中古マンションを買い取り、30代~40代の一次取得者をターゲットにリノベーションして再販するリアルな不動産事業を主に行っている。このリアルな事業を効率的に運営するためにテクノロジーを活用しているところが特徴的で、当該テクノロジーは、ポータルサイト「KAITRY」によるオンライン買取再販、業務支援SaaSプロダクトの外販など、リアルな不動産事業とシナジーの大きいシステム開発に繋がっており、独自のデータベースとテクノロジーが同社のコアコンピタンスとなっている。同社は、こうした「リアル(住まい)×テクノロジー」を通じて、中古住宅再生を中心とした住宅市場で成長するとともに、ライフスタイルの変化に応じて柔軟に住まいを変えられる、「誰もが」「いつでも」「何度でも」「気軽に」住み替えることができるサステナブルな未来を創造していくことを目指している。
テクノロジーで中古住宅再生事業を近代化
2. 沿革
同社は、2000年12月に東京都において、大手不動産会社で建築請負・賃貸といった現場や管理者、事業責任者として経験を積み、不動産事業の知見を深めた現代表取締役社長の濱中雄大(はまなかたけひろ)氏によって、(株)ホームネットの社名で設立された。当初、不動産仲介業や建売住宅事業を行っていたが、2010年に現在では主力事業となった中古住宅再生事業を開始した。ポテンシャルの高い中古マンションを仕入れ、リノベーションによって付加価値を高めて再販する中古住宅再生事業は、資金効率が良く、需要も拡大を始めたところであったため同社の成長をけん引、まもなく大阪や名古屋など全国の大都市圏に支店を開設していくこととなった。また、2018年に山口県に7拠点を有する(株)ファーストホーム、2019年に秋田県に4拠点を持つ(株)サンコーホームを買収し、戸建住宅事業にも進出した。
2021年になると、同社が長年蓄積してきた仕入と販売の膨大なデータベースとAI技術などテクノロジーを積極的に活用するステージに入り、2021年には不動産価格のAI査定を開発、iBuyer※プラットフォーム「KAITRY」を開始し、これまで仲介会社に依存していた仕入に関して、所有者から直接仕入れるルートを開拓した(現在では直接販売も開始)。2022年には、査定数が急増するなどAI査定が非常に有効だったため、仲介会社など取引先との関係強化に活用することを狙って、AI査定を組み込んだ不動産仲介会社向け業務効率化ソリューション「HOMENET Pro」などのSaaSプロダクトを開発し提供を開始した。現在、ポータルサイト「KAITRY」とSaaSプロダクトをテコに、中古住宅再生事業の成長に弾みをつけようとしているところである。
※iBuyer:米国発祥のオンライン転売の仕組みで、アルゴリズムを使用して不動産をAI査定し、不動産会社または不動産ポータルサイトが売り手から直接物件を買い取って転売するビジネスモデル。米国Opendoor社が有名である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
《HH》
提供:フィスコ