16日の米国市場ダイジェスト:NYダウは145ドル安、根強いインフレを警戒
■NY株式:NYダウは145ドル安、根強いインフレを警戒
米国株式市場は反落。ダウ平均は145.13ドル安の38,627.99ドル、ナスダックは130.52ポイント安の15,775.66で取引を終了した。
1月生産者物価指数(PPI)が消費者物価指数(CPI)に続き予想を上回ったため、インフレ長期化が警戒され、寄り付き後、下落。その後、2月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値が予想を下回ったほか連邦準備制度理事会(FRB)高官の発言を受けて次の行動が利下げであることを確認し相場は下げ止まった。ただ、長期金利の上昇が引き続き重しとなり、上値を抑制し、マイナス圏で終了。セクター別では耐久消費財・アパレルの下落が目立った。
製薬会社のイーライ・リリー(LLY)は糖尿病薬「マンジャロ」と肥満症薬「ゼップバウンド」の需要拡大に対する期待にアナリストが目標株価を引き上げ、上昇。広告技術会社のザ・トレードデスク(TTD)は四半期決算において予想を上回る見通しを示したほか、アナリストの投資判断引き上げで、上昇した。ディスカウント小売のウォルマート(WMT)は来週発表される四半期決算の結果を期待した買いに、上昇。
一方、動画配信のロク(ROKU)は四半期決算の内容は予想を上回ったが、見通しが市場の期待に満たず、大幅安。スポーツ用品メーカーのナイキ(NKE)はコスト節減策の一環として全従業員の2%削減計画を発表、さらにアナリストの投資判断引き下げで、下落した。地銀のニューヨーク・コミュニティー・バンコープ(NYCB)やコメリカ(CMA)などは連邦準備制度理事会(FRB)のバー副議長が「当局は銀行の商業不動産融資に最新の注意を払う」と注意を促したため下落。
本年の連邦公開市場委員会(FOMC)投票権を持つアトランタ連銀のボスティック総裁はインタビューで、依然年2回の利下げを予想していることを明らかにした。また、データ次第では3回の利下げを支持する可能性もあると答えた。
(Horiko Capital Management LLC)
■NY為替:米PPI予想上振れもミシガン大消費者信頼感指数は予想下回る
16日のニューヨーク外為市場でドル・円は150円65銭へ上昇後、150円09銭まで反落し、150円21銭で引けた。米1月生産者物価指数(PPI)が予想を上回る伸びを示したため利下げ観測の後退で長期金利上昇に伴うドル買いが強まった。その後、米2月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値が予想を下回ったほか、ボスティック米アトランタ連銀総裁やサンフランシスコ連銀のデイリー総裁も年2,3回程度の利下げ予想を維持している姿勢を明らかにしたため、年内の利下げ観測が再燃しドル買いも後退。
ユーロ・ドルは1.0732ドルへ下落後、1.0787ドルまで上昇し、1.0776ドルで引けた。ユーロ・円は161円65銭へ下落後、161円95銭まで上昇。ポンド・ドルは1.2551ドルまで下落後、1.2624ドルまで上昇。ドル・スイスは0.8839フランへ上昇後、0.8798フランまで下落した。
■NY原油:続伸、時間外取引で78.52ドルまで値上り
NYMEX原油4月限終値:78.46 ↑0.87
16日のNY原油先物4月限は続伸。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物4月限は、前営業日比+0.87ドル(1.12%)の78.46ドルで通常取引を終了した。時間外取引を含めた取引レンジは76.69ドル-78.52ドル。ロンドン市場で76.69ドルまで下落したが、米国市場の中盤以降は中東情勢の悪化を警戒した買いが強まり、通常取引終了後の時間外取引で78.52ドルまで値上り。
■主要米国企業の終値
銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)
バンクオブアメリカ(BAC) 34.09ドル +0.02ドル(+0.05%)
モルガン・スタンレー(MS) 86.50ドル +0.83ドル(+0.96%)
ゴールドマン・サックス(GS)384.44ドル -0.98ドル(-0.25%)
インテル(INTC) 43.51ドル -0.54ドル(-1.22%)
アップル(AAPL) 182.31ドル -1.55ドル(-0.84%)
アルファベット(GOOG) 141.76ドル -2.18ドル(-1.51%)
メタ(META) 473.32ドル -10.71ドル(-2.21%)
キャタピラー(CAT) 321.91ドル -1.16ドル(-0.35%)
アルコア(AA) 27.40ドル +0.01ドル(+0.03%)
ウォルマート(WMT) 170.36ドル +1.07ドル(+0.63%)
《ST》
提供:フィスコ