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あのソシオで400万円負けても、3つの「イ」戦略で日経平均に大勝ち
目指せ億トレ、頑張り投資家さんの稼ぎ技 @random_dash23さんの場合-第1回
話題のPBR(株価純資産倍率)1倍割れ是正も、インフレの視点で捉えたらチャンスが広がる――。
これから紹介する@random_dash23さん(ハンドルネーム、以下ランダムさん)は昨年(2023)、日経平均株価の年間騰落率を2倍上回る+60%のパフォーマンスを手にした「強い勝ち組」の1人だ。
そのランダムさんは、実は昨年6月に半導体株のソシオネクスト<6526>で400万円の凹みを食らっている。しかし、ここ数年で磨き上げた3つの「イ」に着目した銘柄選びで最終的に日経平均を大きくアウトパフォームする成果を手にした。
その「イ」とは、インフラ、インフレ、インカム――。この3つを、図書館司書の経験で培った情報収集術と情報解釈のノウハウを生かして、投資での成果に昇華させてきた。
そのポイントを2回シリーズで見ていく。
コロナ禍の影響より国家間の紛争拡大に注目
ランダムさんが今年注目しているのは日本製鉄<5401>、商船三井<9104>、東京電力ホールディングス<9501>、日本マクドナルドホールディングス<2702>、桜護謨<5189>、アメ株のズィム・インテグレイティッド・シッピング・サービシズ<ZIM>などだ。
うち、桜護謨は直近1月23日発表の増配と上方修正予想で翌日にストップ高となっている。早速、見立てが当たった格好だ。
■ランダムさんが24年に注目する主な銘柄とポイント
業種は様々だが、3つの「イ」を基に着目している点では一致している。この3つの「イ」で、ランダムさんが勝ちを積み重ねてきたのは、ちょっと違った視点で物事を捉える技を身に付けていることがある。
インフレを例にすると、ランダムさんが意識し始めたのが21年末ごろだ。その頃から、「日本も国家間の紛争に巻き込まれるかもしれない」という考えを強め、「戦争が起これば資源価格は高騰し、インフレが加速する」と考えた。
よく語られるサプライチェーンの混乱による供給制約の中で、金融と財政の大盤振る舞いによる需要の急拡大が起きることや、インフレ期待の広がりといった経済的な視点とは一線を画す。
国家間の紛争に目が向かったのは、当時ロシアのウクライナ侵攻懸念が広まる中で、銅などの非鉄の価格が高騰していたことがある。もし、これが台湾有事に備えて中国が資源を大量に購入していることの影響であれば、近隣の日本も無傷ではいられないと読んだのだ。
23年に入ると、各社の開示を見て「日本も戦時への備えを始め出した」という思いがさらに高まり、恐怖と悲しみで涙をこぼしつつ、ランダムさんも有事に備える目的で鉄鋼や電力関連銘柄の保有ウエートを引き上げた。
結果的には、ロシアのウクライナ侵攻とともに台湾有事に発展する懸念が株式市場の中でも広がったことを考えれば、妄想が過ぎると笑い飛ばすことはできない。
国民を支えるインフラ企業を応援
インフレを世界の紛争視点から捉えるのは、本人がインフラ関連の企業に魅力を感じていることも無縁ではない。「国民の生活に直結し、国力を支える存在でもあるインフラ企業を応援したいんです」とランダムさん。
株式投資の観点では、インフラ企業の場合、災害復興時には大きな役割を果たす存在で、今後の業績についてストーリーを組み立てやすい点に妙味を感じている面もある。
図らずも、年初に日本は能登半島地震に見舞われ、交通網の分断や断水、停電、通信障害など、生活基盤に大ダメージをもたらす様子をまざまざと見せつけられたことも加わって、一層、インフラ設備の重要性をかみしめている。
クックパッドのアナウンスに、「インフレはインカムゲインに通ずる」
インカムに注目したのも、少々異なる視点からだ。
ランダムさんは23年2月、料理レシピサイトを運営するクックパッド<2193>が公表した自社株買いのリリースにはっとさせられた。
この頃、株式市場では、東京証券取引所がPBR(株価純資産倍率)1倍割れの解消に動き出すことに関心が向かい始めた時期だった。
ランダムさんも、この東証の方針を材料に増配や自社株に株主還元に注目が集まっていることを感じ、株主還元の強化を表明する企業を日々、適時開示情報などでチェックしていた。
しかし、当初、東証の方針はそれほどの効果はないだろうと見ていた。というのも、これまでもコーポレートガバナンス・コード(企業統治指針)やスチュワードシップ・コード(機関投資家の行動指針)など、様々な形で企業価値の向上や株主還元の強化を促す施策が執られても、企業の腰が重たかったからだ。
しかし、クックパッドのリリースを見てから、今回は効果があるかもしれないという思いに至る。
※当該情報は、一般情報の提供を目的としたものであり、有価証券その他の金融商品に関する助言または推奨を行うものではありません。
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登場する銘柄
編集・構成/真弓重孝(株探編集部)、文・イラスト/福島由恵(ライター)
@random_dash23さん(ハンドルネーム・50代・男性)のプロフィール:
1990年代後半の26歳の頃に、200万円を元手に株式投資を開始。2022年に、それまで続けた図書館司書の職を早期退職し、専業投資家として再スタートする。
中学生の頃から日本経済新聞を愛読しており、大学も経済学部で金融やマクロ経済について学んだ知識を生かし、株式市場で注目されるテーマを見極めるのを得意とする。
さらに最近は企業の開示情報から「変化」を見出し銘柄選択眼に磨きをかけ、23年は60%の好パフォーマンスをマークした。「株探アンケート~24年の日本株戦略」の回答者で、投資スタイルは「テーマ重視」、日本株投資の腕前は「中級者」となる。
1990年代後半の26歳の頃に、200万円を元手に株式投資を開始。2022年に、それまで続けた図書館司書の職を早期退職し、専業投資家として再スタートする。
中学生の頃から日本経済新聞を愛読しており、大学も経済学部で金融やマクロ経済について学んだ知識を生かし、株式市場で注目されるテーマを見極めるのを得意とする。
さらに最近は企業の開示情報から「変化」を見出し銘柄選択眼に磨きをかけ、23年は60%の好パフォーマンスをマークした。「株探アンケート~24年の日本株戦略」の回答者で、投資スタイルは「テーマ重視」、日本株投資の腕前は「中級者」となる。
話題のPBR(株価純資産倍率)1倍割れ是正も、インフレの視点で捉えたらチャンスが広がる――。
これから紹介する@random_dash23さん(ハンドルネーム、以下ランダムさん)は昨年(2023)、日経平均株価の年間騰落率を2倍上回る+60%のパフォーマンスを手にした「強い勝ち組」の1人だ。
そのランダムさんは、実は昨年6月に半導体株のソシオネクスト<6526>で400万円の凹みを食らっている。しかし、ここ数年で磨き上げた3つの「イ」に着目した銘柄選びで最終的に日経平均を大きくアウトパフォームする成果を手にした。
その「イ」とは、インフラ、インフレ、インカム――。この3つを、図書館司書の経験で培った情報収集術と情報解釈のノウハウを生かして、投資での成果に昇華させてきた。
そのポイントを2回シリーズで見ていく。
コロナ禍の影響より国家間の紛争拡大に注目
ランダムさんが今年注目しているのは日本製鉄<5401>、商船三井<9104>、東京電力ホールディングス<9501>、日本マクドナルドホールディングス<2702>、桜護謨<5189>、アメ株のズィム・インテグレイティッド・シッピング・サービシズ<ZIM>などだ。
うち、桜護謨は直近1月23日発表の増配と上方修正予想で翌日にストップ高となっている。早速、見立てが当たった格好だ。
■ランダムさんが24年に注目する主な銘柄とポイント
銘柄名 <コード> | 注目の主なポイント |
日本製鉄<5401> | 割安で高配当、合弁会社を通じてインドに進出 |
商船三井<9104> | 割安で高配当、中東情勢悪化がもたらす船賃上昇 |
ズィム<ZIM> | 中東情勢悪化がもたらす船賃上昇、今後の黒字化と復配 |
東電HD<9501> | 原発再稼働による収益改善 |
三菱重<7011> | 地政学リスクに対応する防衛インフラ増強 |
三井海洋<6269> | 小笠原海台海域の大陸棚拡大により海洋開発が活発化 |
マクドナルド<2702> | 駅近、郊外などエリアごとに異なる価格の値上げ策がうまく浸透 |
桜ゴム<5189> | 連結配当性向30%、業績連動型配当への変更による今後の増配 |
業種は様々だが、3つの「イ」を基に着目している点では一致している。この3つの「イ」で、ランダムさんが勝ちを積み重ねてきたのは、ちょっと違った視点で物事を捉える技を身に付けていることがある。
インフレを例にすると、ランダムさんが意識し始めたのが21年末ごろだ。その頃から、「日本も国家間の紛争に巻き込まれるかもしれない」という考えを強め、「戦争が起これば資源価格は高騰し、インフレが加速する」と考えた。
よく語られるサプライチェーンの混乱による供給制約の中で、金融と財政の大盤振る舞いによる需要の急拡大が起きることや、インフレ期待の広がりといった経済的な視点とは一線を画す。
国家間の紛争に目が向かったのは、当時ロシアのウクライナ侵攻懸念が広まる中で、銅などの非鉄の価格が高騰していたことがある。もし、これが台湾有事に備えて中国が資源を大量に購入していることの影響であれば、近隣の日本も無傷ではいられないと読んだのだ。
23年に入ると、各社の開示を見て「日本も戦時への備えを始め出した」という思いがさらに高まり、恐怖と悲しみで涙をこぼしつつ、ランダムさんも有事に備える目的で鉄鋼や電力関連銘柄の保有ウエートを引き上げた。
結果的には、ロシアのウクライナ侵攻とともに台湾有事に発展する懸念が株式市場の中でも広がったことを考えれば、妄想が過ぎると笑い飛ばすことはできない。
国民を支えるインフラ企業を応援
インフレを世界の紛争視点から捉えるのは、本人がインフラ関連の企業に魅力を感じていることも無縁ではない。「国民の生活に直結し、国力を支える存在でもあるインフラ企業を応援したいんです」とランダムさん。
株式投資の観点では、インフラ企業の場合、災害復興時には大きな役割を果たす存在で、今後の業績についてストーリーを組み立てやすい点に妙味を感じている面もある。
図らずも、年初に日本は能登半島地震に見舞われ、交通網の分断や断水、停電、通信障害など、生活基盤に大ダメージをもたらす様子をまざまざと見せつけられたことも加わって、一層、インフラ設備の重要性をかみしめている。
クックパッドのアナウンスに、「インフレはインカムゲインに通ずる」
インカムに注目したのも、少々異なる視点からだ。
ランダムさんは23年2月、料理レシピサイトを運営するクックパッド<2193>が公表した自社株買いのリリースにはっとさせられた。
この頃、株式市場では、東京証券取引所がPBR(株価純資産倍率)1倍割れの解消に動き出すことに関心が向かい始めた時期だった。
ランダムさんも、この東証の方針を材料に増配や自社株に株主還元に注目が集まっていることを感じ、株主還元の強化を表明する企業を日々、適時開示情報などでチェックしていた。
しかし、当初、東証の方針はそれほどの効果はないだろうと見ていた。というのも、これまでもコーポレートガバナンス・コード(企業統治指針)やスチュワードシップ・コード(機関投資家の行動指針)など、様々な形で企業価値の向上や株主還元の強化を促す施策が執られても、企業の腰が重たかったからだ。
しかし、クックパッドのリリースを見てから、今回は効果があるかもしれないという思いに至る。
※当該情報は、一般情報の提供を目的としたものであり、有価証券その他の金融商品に関する助言または推奨を行うものではありません。
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