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証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
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6676 メルコホールディングス

東証S
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前日比
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9.8 0.56 4.58
時価総額 334億円
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その前提で大丈夫? 「円高危険度ランキング」で欧米景気の悪化をスルー

大川智宏の「日本株・数字で徹底診断!」 第127回
大川智宏大川智宏(Tomohiro Okawa)
智剣・Oskarグループ CEO兼主席ストラテジスト
2005年に野村総合研究所へ入社後、JPモルガン・アセットマネジメントにてトレーダー、クレディ・スイス証券にてクオンツ・アナリスト、UBS証券にて日本株ストラテジストを経て、16年に独立系リサーチ会社の智剣・Oskarグループを設立し現在に至る。専門は計量分析に基づいた株式市場の予測、投資戦略の立案、ファンドの設計など。日経CNBCのコメンテーターなどを務めている。

前回記事「還元強化狙いでプラス効果を狙うなら『悲観予想』に注目」を読む

2023年後半から、不安定な動きを見せているのがドル円、ユーロ円などの為替相場です。

夏場に1ドル=130円台後半まで円高が進んだものの、その後円安に転じ、11月下旬には150円台に乗せると、今度は再び140円台前半まで円高が進みました。

その要因として、

米国のインフレの沈静化と日本のインフレの進行、
日米両国の景気局面の違いを意識、
これらに伴う両国の金融政策の変更をめぐる思惑、

――などが投資家の投資家心理(センチメント)を揺さぶったと思われます。

日米の金利縮小からドル円は円高方向に

そうした混乱が生じたものの、米国の景気悪化はFRB(米連邦準備理事会)がそれを意図して引き締めてきた帰結といえます。悪化が緩やかであれ猛スピードであれ進行していくのであれば、日米金利差の縮小からドル円が円高方向へと動いていくのは既定路線といえるでしょう。

実際に、過去3年間のドル円と日米金利差の連動性は高くなっています。

■過去3年間の日米金利差とドル円の推移
【タイトル】
出所:リフィニティブ・データストリーム

日本側の要因を考慮しても、円高方向に進むと見られます。

その理由として、インフレが収まっていない現下の状況では、日銀がさらなる緩和方向に動く可能性はほぼ皆無に等しいことがあります。仮に日銀が動かなくても、米国景気が後退すれば、10年債利回り差の縮小で円高圧力が増します。

数カ月前は一方的な円安進行がリスクになっていましたが、今度は円高リスクについて論じなければいけない事態になりました。それだけ、世界の経済状態が不安定化している証拠なのでしょう。

中間決算時点でドル円前提が150円台の企業も

この円安から円高方向への転換で、中間決算時点の業績見通しにブレが生じる可能性が出ています。中間決算の発表時点は150円前後の円安水準にいたこともあって、企業側も期初の為替前提を、円安方向に修正する圧力がかかっていました。

期初時点では、上場企業のドル円の前提の中央値は132円程度でしたが、現在は140円に修正されています。中央値ですから、当然140円より安値水準の企業も存在し、140円を超える企業は169社、150円を超える企業は12社を数えます。

■ドル円前提が150円以上の企業の一覧
銘柄名<コード>業種ドル円
前提
テイン<7217>輸送用機器153円
ハビックス<3895>パルプ・紙150円
WOWOW<4839>情報・通信業150円
守谷輸送機<6226>機械150円
フリュー<6238>機械150円
メルコ<6676>電気機器150円
日本MDM<7600>精密機器150円
オービス<7827>その他製品150円
日ガス<8174>小売業150円
乾汽船<9308>海運業150円
邦ガス<9533>電気・ガス業150円
静ガス<9543>電気・ガス業150円
出所:QUICK

現時点の為替動向を踏まえると、前提が150円台そして140円台の企業は、円高の進行がそのまま業績の下方修正リスクへとつながってしまうことになります。

日本株は大型の外需製造業が多く含まれるため、それらが2023年の日本株市場の上昇をけん引してきたことを考えると、日本株市場全体にとっても笑い事では済まない事態へと発展するかもしれません。

3つのスコアで「円高危険度」ランキングを作成

そこで、今回は、「円高危険度」の高い銘柄を抽出し、ランキングしました。ざっくりとしたイメージでいえば、ドル円の前提が高い状態で、米国売上高比率が高い企業です。

さらに、ドル円・株価感応度も付け加えました。これは、過去10年間の週次のドル円と株価の騰落率の連動性(相関係数)が高いか低いか、で判断します。

この数字が高いと、ドル円と株価は順相関の関係にあり、円高の進行によって株価も下落しやすいと考えられます。

ランキングはこれら3つの要素をスコア化し、最後に平均して総合スコアが高い順に並べていきます。

なお、ドル円以外にも、欧州もインフレ鈍化、景気後退懸念の高まりといった状況は類似すると考えられるため、ユーロ円・欧州売上高・ユーロ円と株価の騰落率の連動性スコアについても、ランキングしています。

定量評価で、円高で恩恵を受ける銘柄を特定するのは危険

ここで、1点補足があります。円高危険度が判別できるのであれば、円高で恩恵を受ける可能性の高い銘柄を特定することはできないのか、と考える方もいるかもしれません。

しかし、それを定量的に実施するのは危険が伴います。問題になるのが、海外売上高比率が公表されていない、もしくは曖昧な分類で公表している場合です。

円高危険度を探るために欧米の売上高比率が高い銘柄を抽出する目的であれば、地域が明記されているものだけを抽出すれば曖昧なものは「取りこぼすことはあっても余計に抽出することはない」ことになります。

しかし、危険度の低い銘柄を抽出するために欧米の売上高比率が低い企業を抽出する場合は、リスクを高めます。本来は欧米比率が高いのに、曖昧な表記によってそれを見逃すことになると、危険度を過小評価することになるからです。

また内需系で為替の影響をそれほど受けにくい企業などは、為替前提自体を公表していない場合も多く、そういった銘柄も抽出の対象外となってしまいます。

そのため、為替が業績に大きな影響をもたらし、かつ海外の活動地域の情報が明記されている銘柄を対象とすると、どうしても外需系の大型銘柄に偏ります。つまり、「円高危険度が高い銘柄の判別」が、為替と業績に関わる分析の正しい目的となってくるのです。

総合スコアでランキング

では、どのような銘柄の円高危険度が高くなるのかを、次ページから見ていきます。

銘柄のランキングは、前述のように3つの要素をパーセンタイルスコア(母集団の中で各要素を百分率へ転換)で表し、それを平均した総合スコアで決定しています。

母集団は国内上場全銘柄で、過去10年間の為替の騰落率との相関係数を算出する都合から、10年以上前から上場している銘柄に限定しています。

※当該情報は、一般情報の提供を目的としたものであり、有価証券その他の金融商品に関する助言または推奨を行うものではありません。



 

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