貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
日経平均株価の構成銘柄。同指数に連動するETFなどファンドの売買から影響を受ける側面がある
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9501 東電HD

東証P
506.6円
前日比
+10.0
+2.01%
PTS
507.1円
10:27 12/12
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
0.22 33.28
時価総額 8,141億円
比較される銘柄
中部電, 
関西電, 
東北電

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USENNEX Research Memo(5):各事業がそれぞれ差別化を進めている(2)


■会社概要

(3) 通信事業
通信事業では、ブロードバンドインターネット回線の販売代理やオフィスのICT(Information and Communication Technology)環境構築の提案、MVNOサービスなどを行っている。法人向けには「USEN GATE02」ブランドでICTサービスを提供しており、ICTソリューションの「マルチサービスベンダー」として、Googleやサイボウズ<4776>などのクラウドサービスやセキュリティ・ネットワークサービス、データセンターサービスといったSaaSに連なる様々なICT商材やソリューションサービスを提供している。変化の激しいICT業界で安定成長を続けるUSEN-NEXT HOLDINGS<9418>の強みは、マルチベンダー戦略によるサービスラインアップの幅広さと、1つの窓口ですべて対応できる利便性の高い直販営業にある。また、オフィスで働く従業員に向けて、「Sound Design for OFFICE」をはじめとするBGMサービスの提案や、従業員の働き方をサポートするための様々なクラウドサービス(SaaSサービス)も取り揃えており、各企業のニーズにマッチした業務環境改善を提案している。

業務店向けには、自社で提供する光回線「USEN光plus」、ISP「USEN NET」や次世代IP電話サービスなど、顧客ニーズに合わせて様々なサービスの提供を行っている。特に取次からのスイッチを進めている好採算の自社光回線サービスを、業務店向けにアップセル商材として販売を強化している。ほかに、シンプルな料金プランが好評の個人向けMVNOサービス「y.u mobile」と個人向けブロードバンドインターネット回線は、テレワークの定着などにより利用場面が広がった。通信事業の強みは、店舗サービス事業とのシナジーと250社にのぼる代理店による販売促進にある。不動産業界とのネットワークも強みで、大手賃貸住宅では入居者向け通信回線を一括提供している。競争激化のリスクもあるが、オフィスや業務店がデジタル化や業務効率化、セキュリティ対策のニーズを強めているため、高成長サービスとして期待が大きい。

(4) 業務用システム事業
業務用システム事業は、子会社のアルメックスが行っている。「テクノホスピタリティ(technology×hospitality)を世界へ」をミッションに、最新のテクノロジーを駆使した製品やサービスによって、顧客とその先にいるエンドユーザーに対する「究極のホスピタリティ」の提供を目指している。一般ホテルやレジャーホテル、総合病院・クリニック、ゴルフ場などに対して、自動精算機やフロント業務管理システム、飲食店向けにはオーダー端末やオペレーティングシステムなど、省人化・省力化に対応した最新機器の開発・製造・販売を行っている。このほか、ランニング収益となる保守・メンテナンスやソフトウェア更新サービスなども行っている。国内対象施設への納入実績はクリニックを除き高いシェアを誇っており、なかでも自動精算機はトップシェアである。

同事業の強みは、ファブレスメーカーとして、機器やシステムの開発から販売、メンテナンスまでを独自で行っている点だ。市場環境は、患者の利便性向上に取り組み始めた医療業界や、アフターコロナのなかで国内旅行やインバウンドの回復が続くホテル業界において、DXによる省人化・省力化へのニーズが高まっている。なかでも、マイナンバーカード(以下、マイナカード)のシステム不具合は不安材料だが、同社のオンライン資格確認対応の顔認証付きカードリーダー「Sma-paマイナタッチ」は、非接触フレームに加えて健康保険証や公費医療券などカードベースの各種証明書の読み取りが可能な独自機能を搭載しているため、総合病院から中小クリニックまで好評である。また、2024年7月に発行開始となる新紙幣に対応した新型自動精算機に対するニーズもレジャーホテルなどで盛り上がってきたようだ。こうした同社の業務用システム・機器は、ゴルフ場や小売、ペットクリニックなど隣接市場においても大きな需要があると考えられており、中期的に比較的高い成長が期待される。

(5) エネルギー事業
エネルギー事業は2016年の電力販売の自由化を受けて立ち上げた事業で、店舗サービス事業における新規顧客の獲得やクロスセルのきっかけとなる商材として注力している。「USENでんき」では、業務提携している東京電力ホールディングス<9501>(以下、東京電力)から相対で仕入れた低リスクの高圧/低圧の電力を、東京電力エリア外にある同社顧客の業務店(低圧電力)や商業施設(高圧電力)に販売している。「USEN GAS」では、都市ガスの取次販売や省エネのコンサルティングサービスなどを行っている。2022年3月に提供を開始した「U-POWER」では、企業や店舗のSDGs対応や環境保全意識の高まりを受け、グリーンエネルギー比率が異なる低圧3プランと市場連動型/ハイブリッド型の高圧2プランを用意し、企業や店舗のエネルギーのグリーン化を支援している。特徴は、自社調達モデルのため取次モデルより収益性が高く、電力卸価格高騰時に顧客への価格転嫁が可能で売上総利益が逆ざやとなるリスクがない点にある。また、ニーズに合わせた供給能力やSDGsへの対応、全国一括契約といった特徴も好評を博している。このため、エネルギー価格の高騰などを背景に地域電力との競争が激化して立ち行かなくなる新電力が多いなか、「U-POWER」は取次モデル「USENでんき」の解約の足止めや、市場から退出した新電力の受け皿として非常に好調に推移している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)

《SO》

 提供:フィスコ

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