貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
日経平均株価の構成銘柄。同指数に連動するETFなどファンドの売買から影響を受ける側面がある
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8001 伊藤忠商事

東証P
7,370円
前日比
+45
+0.61%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
12.0 1.88 2.71 5.41
時価総額 116,806億円
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【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─ 北浜流「新NISA」攻略術【個別銘柄編】


「北浜流『新NISA』攻略術【個別銘柄編】」

●米国株高が師走の東京市場を押し上げへ

 いよいよ年末相場入りだ。もちろん、株価は続伸してくれなくてはならない。しかし、これは願望。投資では期待や願望が実現することはあまりないので、「年末高を願っても実現するとは限らないよね……」となるだろう。

 しかし、10月の絶不調相場が終わり、11月相場が期待以上に強かったことを考えると、11月の勢いが幾分残っており、12月は続伸する可能性が高いと見てもよいだろう。ただ、これだけでは続伸を想定する根拠としては薄いため、これまでの10年間の年末相場をデータで検証してみたい。

 12月の日経平均株価が上昇したのは6回ながら、そのうち2回は実質保ち合いといえるほどの小幅な上昇になっている。下落は4回となるわけで、これだけをみると今回も上がっておかしくないといえないこともないが、昨年は急失速してしまったし、その前の21年は小幅反発にとどまった。

 以上のデータで着目したいのは、昨年と一昨年がさえなかったのは、米国の利上げ懸念に足を引っ張られたことによるもの、こう見てよいだろう。市場が絶えず気にしているのは、戦争やコロナよりも金利動向だからだ。

 この点、今後はどうなるのか。最終的には12月12日~13日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果を待たねばならないが、最近の米国の経済指標をみると、景気の好調は続いているものの、減速傾向にあることがわかる。これは当然、株価の押し上げ要因となり、今年の年末相場はまず米国市場が続伸し、東京市場に波及する。こんなシナリオが描けるため、ここでは前回に続き「新NISA(少額投資非課税制度)」への対応策を考えたい。

●新NISAで狙う好配当銘柄は?

 前回は成長枠投資の候補として、米国のS&P500に連動する、SPDR S&P500 ETF <1557> [東証E]、iシェアーズ S&P 500 米国株 ETF <1655> [東証E]、MAXIS米国株式(S&P500)上場投信 <2558> [東証E]、さらにはMAXIS全世界株式(オール・カントリー)上場投信 <2559> [東証E]を紹介したが、NISAはもちろん個別銘柄にも投資できるので、今回は個別銘柄をセレクトしてみたい。

 NISAは途中売却も可能で、売却したことによる投資枠は翌年に埋めることができる。しかし、特定口座や一般口座での売買のように、今日買って明日、もしくは数日後に売るような投資法は、あまり向かない。そのため、銘柄は滅多に変えないことを前提に、値上がり益と配当獲得を目指す利用法が好ましいことになる。

 その結果、どういうことになるか。NISAの利用法としてネットではコア・サテライト手法が話題になっていて、コアは収益の安定のためにインデックスファンドを中心に投資信託などで埋め、他を個別銘柄で……となるのだが、問題はコアの比率を100%、もしくはコア70~80%、サテライト20~30%にした方がよいと主張する人が大半であることだ。コア・サテライトという言葉がおしゃれで新鮮味を持つため、心惹かれる人も多いだろうが、そもそも論から考えると、NISA自体が安定性の高い、将来に亘って多少の上下動はあっても、結果的には上昇するであろう銘柄に投資するのが基本のシステムである。これを踏まえると、NISAは全体がコアとなり得るものであり、投資信託などでそのほとんどを埋めるのはいかがなものか、となる。

 そこで登場するのが高配当、もしくは好配当銘柄であり、現時点で私がお勧めできるのは、まずは伊藤忠商事 <8001> [東証P]になる。同社は今期の予想1株利益551.4円に対して160円の年間配当を計画している。しかも、累進配当を約束しているため、今後も配当増が見込めるのだが、株価は11月20日に6201円の高値をつけたあと失速してしまった。しかし、11月30日に25日移動平均線を割り込んだところで見直し買いが入り、軽く反発したタイミングにある。

 現在、株価は高値圏で横ばいの動きを続けているものの、メガバンク首位の三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> [東証P]もNISA向きの銘柄といえる。すぐには上がらなくても、将来に亘って日本の金融業界をリードし続ける可能性が高いだけに、リスクはあっても小さいといえる。今期予想の1株利益108.1円に対して41円の配当が予定されている。

 リース首位のオリックス <8591> [東証P]も将来の生き残り力だけでなく、成長拡大力が強い企業と見てよく、現在の低空飛行中の株価は、将来を考えると投資しやすい水準にあるといえる。今期予想の一株利益284.9円に対して94円配当が予定されている。

 自動車関連銘柄ではブリヂストン <5108> [東証P]に注目だ。長い目で見た場合、自動車メーカーは電気自動車(EV)を巡って激しい競争を繰り広げており、どの企業が繁栄を続けられるのか分からない。しかし、タイヤはその競争に巻き込まれることはない。空飛ぶ自動車ばかりになるとタイヤは不要となってこの会社の存在感は薄れるものの、そうなることはまず考えられないため、NISA投資に向く銘柄となる。今期予想の1株利益489.3円に対し、200円の配当を予定している。

 以上はNISA向き銘柄だが、最後はそこから離れて別視点による銘柄を取り上げたい。ベイカレント・コンサルティング <6532> [東証P]だ。DX(デジタルトランスフォーメーション)に強く、同技術を経営に活かすコンサルタント事業によって収益を伸ばし続けていて、経営状態は模範的ともいえるほどの好調さだ。ところが、株価は10月半ばから同月末にかけて急失速してしまった。好業績企業であっても売られてしまい、それも極端な下げ方をしてしまうことがあるが、幸いこの銘柄の株価は11月に入って急回復し、急落前より高くなっている。目先は勢いがあり過ぎるため短期投資家の売りが出ることが予想されるものの、止まらない成長力を考えると、さらなる高値が見込める。

2023年12月1日 記


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