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【市況】【植木靖男の相場展望】 ─ハイテク株の延長戦か?!

株式評論家 植木靖男

「ハイテク株の延長戦か?!」

●米国市場は最高値更新へ突き進むか

 日経平均株価は順調に下値を切り上げ、11月20日にバブル崩壊後の高値を付けたものの大引けで急落。これをきっかけに高値もみ合いに転じてしまった。本年は数回、3万3000円台に到達したあと、いずれも頭重い展開となっており、もはや上値の壁となってしまった感があるが、今回もやはり戻り売り、利食い売りに押された格好だ。

 問題はここからだ。多くの投資家は仕切り直し必至とみたはずだが、意外にもそうはならない可能性がある。むしろ週末12月1日が高く引ければ再上昇期待が強まるはずだったのだが、本稿執筆時点の前場の段階では小安くなっており、決戦は12月第2週に持ち越されたかにみえる。

 さて、ヤジロベエ論からすれば、両手にぶら下がっていた米国金利、米国株価、ドル・円、ドルインデックス、米国景気などの要素が微妙なバランスをみせていたが、ここへきて大きな変化がみえはじめている。多くの要素が反転し始めたのである。

 だが、このバランスは依然として保たれている。なぜか。それは米国株高だ。これ一本で支えているのだ。逆にいえば、この株高が崩れれば、すべて元の木阿弥になる。

 米国株の強さは想定以上だ。NYダウは2022年に大天井を付けたとみていたが、これを上回るかもしれないとの期待が強まっているのだ。このときの水準まであと1000ドルほどにすぎないからだ。

●市場は常に新しい銘柄を求める

 では、こうした市場環境下で、目下、足踏みを続ける東京市場をどうみたらよいのか。

 カギを握るのは、短期海外筋の動向だ。ここへきてなお日経平均株価が下げ渋っているのは、やはり彼らの買いが下支えしているとみる。ここから腕力でもって上値を買い上がってくるのか。ここは指数先物の動きから目を離せない。

 理屈でいえば、株価は所詮、マネー(資金)の量で決まる。企業収益がよく議論されるが、これは結果論である。国にマネーが大量に入れば、また入っていれば自ずと企業の懐は豊かになり、株価も上昇に転じる。いくら日銀がマネーをばらまいても、それが海外に流出すれば、つまりキャピタルフライトが大きければ株価は上昇しないはずだ。

 だが、いまは日銀の緩和政策に加え、海外から国内にマネーが流れ込んでくる条件ができあがりつつあるとみれば、株価は放っておいても上昇するとみてよいのではないか。

 当面の物色対象はどうか。仮に米国株が2022年高値を上回ると想定すれば、ここ一両年に活躍した銘柄群の延長戦となるはず。すなわち、グロース株が引き続き主導権を握るのではないだろうか。いわゆるバリュー株が取って代わるのはその後といえる。とはいえ、市場は新しい銘柄を要求するのが常。交互物色となるが、この水準からいえば出遅れ株が注目されよう。

 超目先的には仕手性人気トップクラスの川崎汽船 <9107> [東証P]、ハイテクの出遅れとしてタムロン <7740> [東証P]、またシリコンアイランド九州関連の九電工 <1959> [東証P]、西日本鉄道 <9031> [東証P]などに妙味がありそうだ。その後続候補として商社の丸紅 <8002> [東証P]、自動車のホンダ <7267> [東証P]、 不動産から東急不動産ホールディングス <3289> [東証P]、総合重工業から三菱重工業 <7011> [東証P]などに注目したい。

2023年12月1日 記


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