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【市況】【杉村富生の短期相場観測】 ─掉尾の一振!年末相場での活躍株を探る!

経済評論家 杉村富生

「掉尾の一振!年末相場での活躍株を探る!」

●出遅れが著しい野村ホールディングス!

 全般相場は“落葉しぐれ”ならぬ、高値しぐれ商状に陥っている。しかし、懸念は無用だろう。師走ラリーが始まる。2024年相場は強い。なにしろ、「辰巳天井」という。安値圏では天井を形成しようがないではないか。日銀のETF(上場投資信託)買いは大きな利を生んでいるし、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の運用成績は良好である。

 個人の株式資産は6月末時点では前年同期比26%増の268兆円に膨らんでいる。そこに、拡大NISA(少額投資非課税制度)がスタートする。個人金融資産の5割強を占める現・預金(1000兆円)が動き出すのは間違いない。証券業界の“雄”的な存在の野村ホールディングス <8604> [東証P]は割安だ。株価は大和証券グループ本社 <8601> [東証P]を追う。

 現在、日経平均株価の1株利益(予想ベース)は2261円、1株純資産は2万5436円だ。PERは14.7倍、PBRは1.31倍にすぎない。世界平均(MSCI WORLD)はPERが16.1倍、PBRが2.78倍になっている。単純に、PERを世界平均並みに評価すると、日経平均株価は3万6400円、PBRだと、7万0700円の目標値を設定できる。

 もちろん、単純計算である。ROE(株主資本利益率)などの水準が違う。ただ、トヨタ自動車 <7203> [東証P]の政策投資(株式持ち合い)解消の動き(グループ全体では総額11兆円)など、大きなうねりが始まっているのは確かだろう。実際、豊田自動織機 <6201> [東証P]などはこの流れを好感している。

 これこそが日本再興戦略の潮流といえるだろう。さらに、製造業の国内回帰、新工場の建設ラッシュがある。インバウンドの復調、コロナ禍克服も大きい。日本経済は潜在成長率を上回る拡大を続ける。こうした状況下、野村ホールディングスの株価が600円前後というのはあり得ない。中期的には1株純資産(1092円)奪回を目指すだろう。

●収益構造が一変する銘柄を狙う!

 このほか、収益構造が一変してきた企業は株価水準が大きく居所を変えると思う。まず、豊田通商 <8015> [東証P]だ。大手証券によると、1株利益は2024年3月期が889.6円(前期は807.6円)、2025年3月期が912.3円と予想されている。株価は5ケタ(1万円)を目指す展開が期待できる。

 LAホールディングス <2986> [東証G]は不動産新築、再生、賃貸事業をバランス良く行っている。2023年12月期の1株利益について、会社側は544.3円(前期は641.4円)と予想している。配当は10円増の210円とする。配当利回りは4.37%になる。

 萩原電気ホールディングス <7467> [東証P]はデンソー <6902> [東証P]が主要取引先の電子部品商社だ。自動車業界の増産に加え、EV(電気自動車)自動運転などの流れに乗って、業績は絶好調である。2024年3月期の1株利益は532円(前期は554.7円)となる。配当は30円増の185円とする。

 このほか、ニュージーランド向け中古車輸出のオプティマスグループ <9268> [東証S]、数年来の底練りを上放れてきた日本コンピュータ・ダイナミクス <4783> [東証S]、不動産事業とDX(デジタルトランスフォーメーション)推進事業を手掛けるミガロホールディングス <5535> [東証P]などに注目できる。

 値動き(チャート妙味)ではユニバンス <7254> [東証S]、ダイコク電機 <6430> [東証P]、バルテス・ホールディングス <4442> [東証G]、NSユナイテッド海運 <9110> [東証P]、アイシン <7259> [東証P]、南海化学 <4040> [東証S]が狙い目だろう。

2023年12月1日 記


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