テリロジーHD---2Qは3事業部門いずれも増収、上期経常が黒字に浮上で着地
テリロジーホールディングス<5133>は14日、2024年3月期第2四半期(23年4月-9月)連結決算を発表した。売上高は30.09億円、営業利益は0.24億円、経常利益は0.58億円、親会社株主に帰属する四半期純利益は0.20億円の黒字に浮上した。同社は2022年11月1日に単独株式移転により設立されたため、前年同四半期実績及び前年同四半期増減率は記載されていない。
ネットワーク部門の売上高は前年同期比0.2%増の7.69億円となった。Radware社DDoS対策ソリューションへの問い合わせ対応件数が増加し、販売終了製品のリプレース受注案件数も引き続き堅調に推移している。新型コロナウイルスの感染拡大から経済活動が正常化へ向かう中、テレワーク、フリーアドレス制の導入に伴うセキュアなクラウド型無線LANシステムを採用したネットワーク構築案件では、既存顧客からの追加案件のほか、ネットワークリプレース案件なども堅調に推移した。
セキュリティ部門の売上高は前年同期比37.6%増の13.88億円となった。電力系などの重要インフラや工場及びビル管理などの産業制御システム分野では、制御システム・セキュリティリスク分析案件の受注活動は堅調に推移している。また、ランサムウェア関連は主に国内大手企業向けのサービスで、APTグループに関する脅威情報及び情報作戦は主に官公庁向けのサービスであり、各活動とも順調に伸びている。その他、前期より本格的に販売を開始した同社グループ独自のパケットキャプチャ新製品は、国内製造業向け欧州連合(EU)一般データ保護規則「GDPR」対策のパケット長期保管案件などを受注し納品が完了したほか、国内大手金融機関から受注したインターネットバンキング向けワンタイムパスワード認証基盤システム案件の一部納品が完了するなど、売上高は増加した。
ソリューションサービス部門の売上高は前年同期比22.0%増の8.51億円となった。多言語リアルタイム映像通訳サービス「みえる通訳」は、宿泊施設をはじめ公共交通機関、小売店などで契約件数が堅調に推移した。また、多言語コンタクトセンターを自社運営する強みから、会議通訳、電話通訳、翻訳等に加えBPOの引き合いも増加した。その他、オフィスへの出社回帰の動きから、オールインワンモニターや映像音響機器等の会議室への設備投資案件の引き合いは堅調に推移したほか、企業活動における動画活用の広まりを支援する同社グループ独自のオンデマンド動画配信サービス「Reminar」の本格販売もスタートした。さらに、同社グループ独自開発のRPAツール「EzAvater」では、業界、業種、規模を問わず利用が拡大したほか、新たにリリースした同時接続フローティングロボットが導入台数増加に貢献するなど堅調に推移した。
2024年3月期通期の連結業績予想については、売上高が前期比11.8%増の63.45億円、営業利益が同107.9%増の2.40億円、経常利益が同88.6%増の2.40億円、親会社株主に帰属する当期純利益が同261.2%増の1.68億円とする期初計画を据え置いている。
《SI》
提供:フィスコ