FOMC通過後の米株高を追い風に一時32000円台回復【クロージング】
2日の日経平均は大幅続伸。348.24円高の31949.89(出来高概算17億7000万株)で取引を終えた。米連邦公開市場委員会(FOMC)は波乱なく通過し、米長期金利が急低下したため、ハイテク関連株を中心に買われた米国株式市場の流れを引き継ぎ、東京市場でも半導体関連株などグロース株を中心に買いが優勢となり、日経平均は前場序盤には32087.13円まで上昇。取引時間中としては、10月18日以来となる節目の32000円台を回復した。その後は、3連休を控えた持ち高調整の売りも散見され、31900円台での堅調地合いが続いた。
東証プライムの騰落銘柄は、値上がり銘柄が880を超え、全体の過半数を占めた。セクター別では、サービス、電気ガス、空運、電機機器、機械など18業種が上昇。一方、鉄鋼、その他金融、パルプ紙、鉱業など15業種が下落した。指数インパクトの大きいところでは、アドバンテス<6857>、東エレク<8035>、ファーストリテ<9983>、信越化<4063>、京セラ<6971>が堅調だった半面、KDDI<9433>、アステラス薬<4503>、ヤマハ<7951>、三菱商<8058>が軟調だった。
パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長がFOMC後の会見で「このところの長期金利の急上昇は金融環境の引き締まりにつながっている」と指摘したため、12月会合でも利上げを見送るとの見方が意識され、買い材料視された。東京市場もこの流れが波及する格好となった。また、前日のトヨタ<7203>の決算を受けて、為替の円安効果を改めて意識する流れにもなり、輸出関連株の一角が堅調なことも投資家心理の改善に寄与した。
日米の金融政策決定会合を無事に通過したため、投資家の関心は、本格化する企業業績の動向に移っていくことになる。ただ、東京市場が休場となる3日には米国で雇用統計の発表が予定されているため、米長期金利の低下傾向が続くのかどうか見極めたいところであろう。雇用統計も波乱なく通過すれば、来週以降、日経平均は国内企業の堅調な業績推移を背景に上値を目指す展開になっていくとし、目先は75日線水準を早期に突破できるかがポイントになりそうだ。
《CS》
提供:フィスコ