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4712 KeyHolder

東証S
729円
前日比
-6
-0.82%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
4.6 0.66 1.37 15.78
時価総額 138億円
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KeyH Research Memo(4):総合エンターテインメント、映像制作、広告代理店の3事業を展開(2)


■事業概要

3. 事業領域
KeyHolder<4712>の事業領域は、総合エンターテインメント事業、映像制作事業、広告代理店事業の3つの事業セグメントであるが、それぞれの事業領域は多岐にわたり、同社を含めたグループ12社(2023年6月末時点。持分法適用会社含む)で事業展開している。これらグループ会社の中核を成す企業の事業内容と、その事業領域についてさらに詳しく見ていく。

(1) 総合エンターテインメント事業
総合エンターテインメント事業を展開するのが、ゼスト、ノース・リバー、A.M.Entertainmentである。ゼストは所属アーティストSKE48の運営実績を基軸にコンテンツの制作からライブ・イベントまでをワンストップで提供している。所属アーティストはSKE48、男性ロックバンドのNovelbrightのほか、女優、プロサッカー選手、プロハンドボール選手などが所属しており、これらアーティストやタレント等のマネジメントを行っている。またミュージックスクールを名古屋栄校(愛知県名古屋市)と福岡天神校(福岡県福岡市)に抱え、将来のスターを育成している。

ノース・リバーは、アイドルグループ乃木坂46の運営かつ芸能プロダクション会社である乃木坂46の持分の50%を保有し、同グループの公式グッズ制作やライブ制作のほか、社外のアイドルも対象にした映像コンテンツの制作やライツ管理等のトータルプロデュース事業も展開している。また、2021年10月にはノース・リバーを分社化して、一般貸切旅客自動車運送事業等を行うエーカンパニーを設立し、アイドルグループや芸能人・著名人の移動における車両サービス事業を展開している。

同事業の収益は、ライブ・エンターテインメント、主要コンテンツ、その他コンテンツ、デジタルコンテンツの4つのサブセグメントに振り分けられる。ライブ・エンターテインメントが同事業の柱である。主要コンテンツは乃木坂46、SKE48及びNovelbrightなどにおける活動収益、その他コンテンツはそのほかのタレントやスクール運営、新人開発などによる収益である。デジタルコンテンツは、アイドルとの恋愛疑似体験ができる恋愛シミュレーションアプリに関する企画・運営・プロモーション等の支援事業による収益である。

(2) 映像制作事業
映像制作事業を担っているのは、グループ会社のUNITED PRODUCTIONSとTechCarry及びTOKYO ROCK STUDIOである。UNITED PRODUCTIONSがバラエティ番組や、所属アーティストのMV(ミュージックビデオ)の制作案件のほか、ドラマ制作、映画製作委員会への出資及び制作、映像制作スタッフの同業他社や放送局への派遣事業並びに俳優開発チーム「Act- D」を立上げ、独自に俳優やタレントの養成を行っている。UNITED PRODUCTIONSが制作した主なバラエティ番組、ドラマ、映画の実績は次のとおり。バラエティ番組は、特番からレギュラーに昇格したTBSテレビの「再現できたら100万円!THE神業チャレンジ」及び「理系応援バラエティ 実験ジャパン」のほかフジテレビの「千鳥の鬼レンチャン」などがある。ドラマは、「社畜OLちえ丸日記」を制作し、Huluで配信している。このほかTBSドラマストリーム「私がヒモを飼うなんて」や(株)NTTドコモ「Lemino」のオリジナルドラマ「アクトレス」に加え、「18/40(エイティーン/フォーティー)~ふたりなら夢も恋も~」における制作協力のほか、Netflix「トークサバイバー!?トークが面白いと生き残れるドラマ?」など、配信系案件の制作も手掛けている。映画は、横尾初喜監督による映画「こん、こん。」をはじめ、人気コミックが原作の映画「君は放課後インソムニア」を製作した。

TechCarryは番組制作等でプロの技術者が使用する機材レンタル事業や編集作業を行うポスプロ※事業を行っているほか、海外ではスタンダードとなっている大型映像制作案件における予算管理業務に特化した制作経理事業を基軸とするプロダクションバックオフィス全般を事業化する目的で、TOKYO ROCK STUDIOを設立し、事業を譲受した。

※ポストプロダクション(Post-Production、略称:ポスプロ)は、映画、テレビ番組、動画コンテンツ、音楽などの制作プロセスの最終段階を指す言葉である。これは、撮影や録音が完了した後に行われ、原材料を編集し、仕上げ、最終的なコンテンツを制作する過程を指す。


なお、映像制作事業の収益は、サブセグメントとしてバラエティ番組、ドラマ、映画、人材派遣、デジタルコンテンツ、その他(俳優開発並びにレンタル事業)にそれぞれ振り分けられる。事業の柱はバラエティ番組で、映像制作事業における売上構成比は73.4%(2023年12月期第2四半期)を占める。

(3) 広告代理店事業
広告代理店事業を担っているのは、グループ会社のallfuzとFA Projectである。allfuzは、エンターテインメントを軸にした販促企画、商品開発を絡めたマーケティング企画の提案を行う広告代理事業を柱に、エンタメ業界における経験に基づいたキャスティング事業、イベント運営事業、デジタルコンテンツ事業なども手掛けている。キャスティングでは、顧客のサービスや商品の特性、ユーザーのライフスタイルも考慮しながら最適なキャスティングを提案している。イベント運営事業では、就職イベントや社内行事のほか記者会見にコレクション(新製品や新サービスの発表等)のイベントプロデュースを行う、企画や運営も請負う事業である。デジタルコンテンツ事業は、アーティストとファンをつなぐ新しいコンテンツの制作やスマホゲームアプリの企画開発、運用及びプロモーションに関する各種支援を行っているほか、一部ではミュージックビデオを中心にLIVE・イベント収録や企業CMなどをプロデュースする映像制作事業も展開している。

FA Projectは、クライアントの商品・サービスの広告戦略設計、クリエイティブ制作、広告運用と分析までをワンストップで行うデジタル広告案件の事業を展開している。具体的にはユーザーの購買行動から得たデータを分析し、マーケティングの課題を解決する独自のグロースハック手法を用いることでクライアントの成長を支援する。デジタル広告事業ではインターネット広告事業及びインターネットメディア事業を展開しており、これまで男性用脱毛サロンやフィットネスジム、ゴルフレッスンスクールといった顧客を獲得してきた。ここで培ったノウハウや知識をクライアントの要望に基づく広告案件に反映し、YouTube等の動画配信プラットフォームを中心としたSNS媒体向けに制作するほか、アフィリエイト広告等の戦略的な広告展開を実行している。

広告代理店事業のサブセグメントは、デジタル広告、広告代理店である。デジタル広告は、アフィリエイト事業が中心となり、インターネットメディア事業はYouTube広告などで収益を確保している。広告代理店事業におけるデジタル広告の売上構成比は94.3%(2023年12月第2四半期)である。サブセグメントの広告代理店は、主要コンテンツ以外のキャスティングなどの活動から生じる売上収益を主体としている。

(4) その他の事業
全事業に占める割合は0.4%とわずかであるが、その他の事業として不動産賃貸事業を展開している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 清野克純)

《AS》

 提供:フィスコ

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