デイトナ Research Memo(6):国内は減収減益、アジア拠点卸売事業は好調で大幅な増収、増益
■業績動向
1. 2023年12月期第2四半期の業績概要
デイトナ<7228>の2023年12月期第2四半期の連結業績は、売上高6,745百万円(前年同期比3.2%減)、営業利益892百万円(同7.8%減)、経常利益868百万円(同13.9%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益582百万円(同15.2%減)となった。期初計画に対しては、売上高6.7%減、営業利益3.1%減、経常利益3.0%減、親会社株主に帰属する四半期純利益4.5%減となり、売上高・各利益ともに進捗は計画を下回った。コロナ禍に伴う行動制限の緩和・解除により旅行・飲食など余暇時間の利用や消費行動の選択肢が広がり、客足の鈍った流通各社が在庫調整に動いたため、国内拠点卸売事業及び小売事業は減収、減益となった。一方、アジア拠点卸売事業は、インドネシアでの販売網の整備による商品供給の拡大とブランドの認知が進み、大幅な増収、増益となった。
2. セグメント別業績概要
(1) 国内拠点卸売事業
売上高は4,983百万円(前年同期比7.2%減)、セグメント利益は645百万円(同18.0%減)となった。ヘルメットやオリジナルウェア等の販売は前年を上回り好調だったが、来店客数の減少により第1四半期の後半から流通各社の在庫調整が強くなり、主体である部品、用品関連の販売が減少した。価格改定は4月までで一巡したが、昨年の資源価格高騰や円安による仕入価格の上昇幅は価格改定幅を上回る水準であり、販売数の減少も加わって、セグメント利益率は13.0%と前年同期より1.7ポイント低下した。
(2) アジア拠点卸売事業
売上高は486百万円(前年同期比102.7%増)、セグメント利益は130百万円(同160.5%増)と、売上高・利益ともに大幅に伸長した。前期に引き続きインドネシアの首都ジャカルタのあるジャワ島を中心に販売網の整備を推進している。地区毎にデポを置き、営業管理を徹底したため、同社製品の取り扱い客数は1年で2,000件から2,500件に急成長した。直近では、ジャワ島周辺の島からも販売取り扱いの引き合いが増えている。
(3) 小売事業
売上高は1,161百万円(前年同期比8.9%減)、セグメント利益は73百万円(同26.5%減)となった。ユーザーの消費行動の変化により来店客数が減少したほか、昨年堅調だった人気車種の高額カスタムニーズも低迷した。
(4) その他
売上高は178百万円(前年同期比1.4%増)、セグメント利益は20百万円(同19.5%減)となった。太陽光発電事業では、パワーコンディショナーの交換工事による稼働停止期間があり、売電売上高は前年同期をやや下回った。利益面でも、減価償却費が増加したため減益となっている。リユースWEB事業は、売上高は伸長したが、人件費増加により減益となった。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
《SO》
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