バリュー株からグロース株へのリバランスを意識/オープニングコメント
3日の日本株市場は、売り一巡後はこう着感の強い相場展開が見込まれる。2日の米国市場はNYダウが74ドル安、ナスダックは88ポイント高だった。9月のISM製造業景況指数や製造業PMI改定値が予想を上回ったほか、米連邦準備制度理事会(FRB)のボウマン理事が複数回の利上げの必要性に言及したため、金利が一段と上昇し相場の重荷となった。シカゴ日経225先物清算値(12月限)は、大阪比210円安の31610円。円相場は1ドル149円80銭台で推移している。
シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、売り先行で始まることになりそうだ。米国市場では米政府機関の閉鎖を回避するためのつなぎ予算が成立したことを材料視した物色は限られていた。一方で、予想を上回る経済指標の結果を受け、FRBによる金融引き締め長期化への警戒感が強まったようだ。今週は週末に雇用統計の発表を控えていることもあり、引き続き米経済指標の結果を手掛かりとした不安定な相場展開が警戒されやすいだろう。
また日経225先物は、ナイトセッションで一時31480円まで売られ、節目の31500円を割り込む場面が見られた。引けにかけては買い戻す動きも見られたが、まずは31500円水準での底堅さを見極める必要がありそうだ。日経平均は直近でボリンジャーバンドの-2σ水準での踏ん張りが見られているが、これを下回ってくるようだと8月安値水準を狙った売り仕掛け的な商いも入りそうである。
そのほか、昨日は配当志向の物色が通過したこともあり、バリュー株の利益確定の動きが目立っていた。一方で、ハイテクの一角には買い戻す動きもあり、リバランスの動きを見せている。米国市場では公益事業、銀行、エネルギー、不動産セクターが弱い値動きの一方で、メディア、ソフトウエア・サービス、半導体・同製造装置、テクノロジー・ハード・機器がしっかりだった。この流れから昨日同様のリバランスが意識されやすいだろう。
物色としてはハイテク株のリバウンドを狙った動きが意識されやすい。また、昨日は米国のつなぎ予算の成立を受けたインデックス主導の展開だったが、こう着感が強まるようだと、個人主体の資金は中小型株での短期的なリバウンド狙いに向かわせそうだ。
《AK》
提供:フィスコ