橋本総業HD Research Memo(8):2024年3月期は業績のピーク更新を目指す
■業績動向
3. 2024年3月期の業績見通し
2024年3月期の連結業績について橋本総業ホールディングス<7570>は、過去最高業績となる売上高155,000百万円(前期比4.6%増)、営業利益3,000百万円(同6.9%増)、経常利益4,000百万円(同5.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益2,800百万円(同9.0%増)を見込んでいる。売上面では、引き続き既存分野でのシェアアップと地域密着型の営業に積極的に取り組むほか、在庫商材の拡充や物流機能の活用、商材の拡大、仕入先との連携強化を進め、新築戸建てやマンションリフォーム向け需要のほか、工場や倉庫、老健施設など非住宅のリニューアル需要に対応する計画である。そのため、空調機器やエコキュート、給湯器などを重点商品として強化するほか、ニーズが強い省エネへの対応も積極化する方針である。利益面では、仕入・販売価格の管理強化により売上総利益率の向上に注力するほか、販管費については引き続きコスト削減を図る。
2024年3月期は業績のピーク更新を目指しており、至難だが、増収及び利益率の改善を掲げているようだ。同社が属する建設業界は需要拡大が見込まれており、なかでもリフォーム・リニューアル・リノベーションといった新しい生活様式に関連する需要や、老朽化が課題となっている公共施設のリニューアル投資は、中長期的な拡大が期待されている。一方、素材価格の高止まりは続いているものの、素材や商品の供給不足は回復しつつある。このような事業環境の下、同社は大手顧客のシェア拡大に加え、取引先からの要望が多い電材や建材、EC、海外向けなど新規事業領域の拡大を進めており、増収を達成することは可能と考える。利益面では、商品価格・製品価格の改定の効果が通期で寄与することに加え、注力する大手顧客の採算が良いこともあり、利益率もまた改善可能と考えられる。
なお、2023年7月、同社は本社移転を発表した。現在の本社ビルは老朽化が進行しており、耐震性やセキュリティ、職場環境などを総合的に勘案して移転を行うことに決定したようだ。本社移転の実施に伴う費用については精査中だが、効率化や職場環境の改善を考慮すれば得られるメリットの方が大きいと思われる。現在の本社ビルについては、経営資源の有効活用を図るため修繕もしくは建替えなどを検討している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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提供:フィスコ