ファーマフーズ---23年7月期は2ケタ増収・大幅な増益、BtoC事業が好調に推移
ファーマフーズ<2929>は11日、2023年7月期連結決算を発表した。売上高が前期比13.9%増の685.72億円、営業利益が同234.1%増の36.10億円、経常利益が同179.9%増の35.40億円、親会社株主に帰属する当期純利益が30.81億円(前期は3.74億円の損失)となった。
バイオメディカル事業の売上高は前年同期比55.8%増の3.43億円、セグメント損失は2.78億円(前年同期は2.31億円の損失)となった。創薬事業では、「自己免疫疾患」及び「線維症」等の難治性疾患を対象とした研究開発を行っている。「自己免疫疾患」は、同社内の「国際PAD研究センター」において、一連のPAD関連ターゲットに対する創薬研究を推進している。 抗PAD4抗体は、日本のみならず、米国及び欧州においても、「PAD4」を標的とする創薬プロジェクトの知的財産権が強化されることになった。「線維症」等の各種難治性疾患は、標的分子に対する抗体を取得・精製し、薬効薬理試験等の創薬研究を推進している。 研究支援事業は、吸収分割により、アンテグラルのバイオサイエンス事業を承継し、プロテオーム解析等を中心とした受託サービスを行っている。 微量なタンパク質の変化が解析可能な「Olink Target」サービスは、国内の研究機関、製薬企業等からの受注が順調に伸び、収益拡大に貢献している。 さらに2023年2月には、新サービス「Olink Flex」を開始した。また2023年7月には、「Olink Explore」サービスを提供するタカラバイオ<4974>と業務提携を開始した。
BtoB事業の売上高は同4.2%増の84.18億円、セグメント利益は同21.6%減の13.01億円となった。機能性素材の売上高は同17.2%増の20.02億円となった。主力商品の「ファーマギャバ」の販売が好調に推移し、国内市場では、機能性表示食品制度における「GABA(ギャバ)」の届出件数は2023年7月31日時点961件(前年同期は716件)で、第1位の採用実績を維持している。海外市場では、骨形成成分の「ボーンペップ」の採用が、乳業メーカー向けなどに大きく伸長している。 機能性製品の売上高は同47.8%増の13.68億円となった。このうち、OEM事業では、ダイエット食品及び健康飲料並びにプライベートブランド製品が売り上げに貢献した。また、同社ナショナルブランド製品の販売では、大手コンビニエンスストア向けに機能性を持った新製品を投入した。海外における最終製品の販売では、海外のECプラットフォームや現地代理店向けの販売を強化した。明治薬品が手がける医薬品製造受託の「CMO事業」の売上高は同15.0%増の41.90億円となった。利益率向上を目指し、受注価格への転嫁と受託品目の絞り込みを行ってきた。また、同社の機能性食品・医薬品等をドラッグストアチャネル等での販売を行う「CHC事業」の売上高は同52.4%減の8.57億円となった。ドラッグストア向けに新たな明治薬品ブランド製品の販売を強化している。
BtoC事業の売上高は同15.2%増の597.88億円と、新商品のヒットで増収となった。広告費の適正化を図り、広告宣伝費386.66億円(前年同期は356.08億円)を計上し、セグメント利益は同486.9%増の37.46億円と大幅な増益になった。2023年7月末時点の同社グループ全体の定期顧客件数は、941,628件(前年同期1,001,356件、前期比6.0%減)となった。「ニューモ育毛剤」をはじめとする「医薬品・医薬部外品」の売上高は同7.6%増の342.75億円となった。主力の「ニューモ育毛剤」の定期顧客件数は434,527件(前年同期441,403件、前期比1.6%減)と新規獲得及び定期継続率の水準が安定的に推移しているため、同社グループ全体の売上及び利益に寄与している。なお、「ニューモ育毛剤」の累計出荷件数は、2023年7月22日時点で2,200万本を突破し、堅調な受注が継続している。また、薬用ホワイトニングジェル「DRcula(キュラ)や明治薬品の「ラクトロン錠」は、特にWEB広告で受注が増加し、定期顧客件数の増加につながった。「サプリメント」の売上高は同0.9%減の112.12億円となった。「シボラナイトGOLD」をはじめとした明治薬品の機能性表示食品の売上が寄与した。後継の製品として、ブラックジンジャー由来の機能性表示食品「シボラナイト2」の発売を開始している。「化粧品」の売上高は同76.5%増の121.67億円となった。主に「ニューモ」ブランドのまつ毛美容液「WMOA」を、主力製品として育成してきた。その結果、2023年7月31日時点で、累計出荷件数は220万本を突破している。また、フューチャーラボの「珠肌ランシェル」及び「ヘアボーテ ボタニカルカラークリームシャンプー」が前期比での増収に貢献した。
2024年7月期通期の連結業績予想については、卵殻膜繊維及び卵殻膜ナノファイバーの社会実装を見据えた本格的な研究開発・設備投資等を想定し、売上高が前期比5.1%増の720.47億円、営業利益が同7.5%減の33.38億円、経常利益が同6.8%減の33.00億円、親会社株主に帰属する当期純利益が同9.6%減の27.84億円を見込んでいる。
《SO》
提供:フィスコ