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0019 東証 中型株

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明日の株式相場に向けて=プライム市場を席巻するバリュー株台風

 週明け4日の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比228円高の3万2939円と6日続伸し、高値引けのおまけつきとなった。既にTOPIXは33年ぶりとなるバブル崩壊後の最高値を更新しているが、日経平均もこれに追随できるかどうかという局面にある。市場では「(日経平均が)三尊天井形成で、75日移動平均線を下抜けたのを見計らってショート筋が先物絡みで売り乗せてきたフシがある。だが相場の足腰は強く、今回も買い戻しを余儀なくされそうな流れとなっている」(中堅証券ストラテジスト)という。日経平均はインデックス買い(買い戻し)特有の引け際一段高となり、あと半歩で3万3000円台に踏み込む水準までポジションを高めた。

 前週末1日に発表された8月の米雇用統計は、事前のメインシナリオ、つまりFRBによる追加利上げ懸念の後退につながる内容だった。非農業部門の雇用者数は事前コンセンサスを上回ったが、一方で失業率が前月から上昇し、平均時給の伸び率も低下した。これを受けて労働需給の逼迫感は和らいでいるとの認識が広がり、今月19~20日の日程で行われるFOMCでは政策金利を据え置く可能性が高まった。ちなみに雇用統計に1時間半ほど遅れて発表された8月の米ISM製造業景況感指数は予想を上回る強い内容だったが、こちらは米景気の底堅さを示唆するとの解釈で、ソフトランディングの方向性を裏付けるものとして好感された。雇用統計とISM製造業景況感指数、この2つの指標についてマーケットはいわゆる“いいとこ取り”をしたようにも見えるが、その結果自体が今の米国株市場の強さを暗示するシグナルとなっている。

 日本時間今晩の米国株市場がレーバーデーの祝日で休場ということもあって、東京市場は短期的なリスクオンモードのスイッチが入りやすかった面もある。今週末8日にはメジャーSQ算出を控えており、前週上げ続けた日経平均は今週のどこかで売りの仕掛けが入るケースも考えられ、その点注意は必要となるが、市場関係者によると「9月のメジャーSQ週は昨年までの直近5年間すべて日経平均が上昇しており、株高アノマリーがある」(中堅証券トレーダー)という。今年はアノマリー破りとなるのかどうかだが、出足は買いが先行、注意を要するとすれば魔の水曜日にあたる6日あたりか。

 物色の方向性についてはプライム市場上場銘柄の売買代金上位をみても明らかだが、1位定着のレーザーテック<6920>は別格として、2位以下を銀行、自動車、商社、鉄鋼の業界大手が占めており、バリュー株優位の構図が如実に映し出されている。植田日銀総裁がいかにハト派を装おうともイールドカーブ・コントロール撤廃からマイナス金利解除の方向性は不可避で、あとはそこまでの“距離感”がどの程度かを投資マネーが推し量っている状況にある。この段階ではグロース株に資金を振り向けにくいという思考が働きやすく、それが今日の売買代金上位の銘柄に表れている。

 まず鉄鋼では日本製鉄<5401>が怒涛の新値追いとなっているが、この流れで注目したいのが共英製鋼<5440>。PBRは0.5倍弱だ。また、川崎汽船<9107>が主軸となっている海運株人気では、相対的に出遅れるNSユナイテッド海運<9110>が買いやすい。また、ここにきて市況底入れが急速に進むアルミ関連で日本軽金属ホールディングス<5703>が新高値目前にある。これをヒントにアーレスティ<5852>もマークしたい。有配企業にもかかわらず、PBRは何と0.3倍台である。

 このほか、台湾の半導体受託生産世界トップのTSMC<TSM>の進出で熊本県の経済活況ぶりが話題となっているが、「次に来るのは北海道の千歳・札幌」という見方が専らである。日の丸半導体で初の最先端半導体量産を目指すラピダスは、北海道札幌を中心に熊本に勝るとも劣らない経済波及効果をもたらす可能性が高い。以前にも取り上げたが、札幌本社の土屋ホールディングス<1840>が調整を終え再浮上局面にある。また、札幌地盤のドラッグストアであるサツドラホールディングス<3544>も好チャートが光る。

 あすのスケジュールでは、7月の家計調査、9月の日銀当座預金増減見込みが朝方取引開始前に開示される。また、午前中に10年物国債の入札が行われる。海外では8月の財新中国非製造業購買担当者景気指数(PMI)、豪中銀の政策金利発表のほか、米国では7月の製造業受注が注目される。(銀)

出所:MINKABU PRESS

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