心理的な節目の33000円目前に【クロージング】
4日の日経平均は6営業日続伸。228.56円高の32939.18円(出来高概算13億3000万株)で取引を終えた。前週末の米雇用統計を波乱なく通過したこともあり、シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、買い先行で始まった。4日の米国市場はレイバーデーの祝日で休場となるだけに、海外投資家の動きは鈍く、全体としてはこう着感が意識されたが、週末の特別清算指数(SQ)算出日を意識した先物買いが大引けにかけて見られたことから、日経平均は高値引けとなった。
東証プライムの騰落銘柄は、値上がり銘柄が1400を超え、全体の8割近くを占めた。セクター別では、空運を除く32業種が上昇。鉄鋼、海運、輸送用機器、不動産、銀行の上昇が目立っていた。指数インパクトの大きいところでは、ファーストリテ<9983>、トヨタ<7203>、TDK<6762>、デンソー<6902>が堅調だった半面、ソフトバンクG<9984>、テルモ<4543>が軟調だった。
前週末の米国市場は、この日発表された雇用統計で、失業率の悪化などからインフレ減速への期待が高まり、株式市場では買い安心感につながり、NYダウは上昇した。東京市場も主力株中心に投資資金がシフトしたほか、円相場が1ドル=146円台前半へと円安に振れていることもあり、自動車や機械株などの支援材料になっていた。海運や銀行といった低PBR(株価純資産倍率)などのバリュー株に投資マネーがシフトし、全般は狭いレンジ内の動きではあったがじり高基調となった。
TOPIXが連日でバブル崩壊後の戻り高値を更新している。国内でのデフレ脱却への期待も底流にあり、先高期待感は日に日に高まってきているようだ。ただ、今週末に9月限の先物・オプションの特別清算指数(SQ)算出日を控えているだけに、SQを意識した先物への売買で大きく振らされる危険性は残る。ただし、節目の33000円が射程に入ってきており、ショートカバーの動きを強めてくる可能性がありそうだ。
《CS》
提供:フィスコ