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3766 システムズ・デザイン

東証S
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時価総額 33.9億円
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システムズD Research Memo(7):「事業の選択と集中」で2大事業の売上拡大と収益改善・向上(1)


■今後の見通し

2. 第7次中期経営計画と進捗・成果
システムズ・デザイン<3766>は、持続的・安定的な収益基盤の確立を図るとともに、今後のあるべき姿を見据えて、2021年3月期より、第7次中期経営計画(2021年3月期~2023年3月期)をスタートし、2023年3月期で最終年を迎えた。

(1) 数値目標
同社は、経営の効率性向上による収益重視の観点から、売上高経常利益率を主たる経営指標としており従来より8.0%以上を目指すべき目標としている。また株主重視の観点から株主資本当期純利益率(ROE)についても重要な経営指標と考えている。

第7次中期経営計画の最終年度である2023年3月期は、経営目標(売上高経常利益率5.0%以上、ROE8.0%以上)に対して、売上高経常利益率6.4%、ROE9.4%といずれも経営目標を上回った。

(2) 中期ビジョンと基本方針
「ONE sdc -足元を固め、お客様より一歩先へ-」を基本メッセージに、「高収益基盤を確立する」、「社員の働きがいを高める」の2つをビジョンとして定め、以下の5つの基本方針に基づき、同社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に取り組んでいる。

a) 事業の選択と集中を進める
同社では、近年ローコード開発ツールを活用したサービスが好調である。ロイヤルカスタマー(大手顧客企業)からローコード開発ツールを使って自社製品を開発したいとの要望が数多く寄せられている。

システム開発事業には、「受注型」と「人材派遣型」があるが、収益性の高い受注型システム開発へ転換(特に、人材派遣型が多い大阪支店を中心に)を進めている。

「ロイヤルカスタマーへの集中」と「受注型への転換」を推進したことにより、システム開発事業の売上拡大と収益改善・向上(2023年3月期営業利益率は7.6%へアップ)に大きく寄与した。

アウトソーシング事業では、IT活用サービス(キッティング作業代行、IT管理、ヘルプデスクなど)をファシリティ事業からオンサイト事業へ移行を進めている。

ファシリティ事業は、受託業務の“持ち帰り”であるため、業務運営のためのファシリティ(施設・設備・什器など)を整えなければならず、固定経費がかかる。一方、オンサイト事業は、顧客サイドのファシリティが活用できるため、オンサイト事業へ移行すれば、固定費圧縮のメリットがある。現時点では顧客企業からもオンサイトの要望が多いようである。また、オンサイト事業へ移行することにより社内ファシリティ2センターが統合化され業務効率が高まった。

アウトソーシング事業は、ファシリティ事業からオンサイト事業へ移行することで、収益改善・回復(2023年3月期営業利益率は4.5%、営業利益は2019年3月期比約3.3倍)がされつつある。

b) 新しい価値を提案する
同社の将来の企業価値を高める2つの重要戦略に取り組んでいる。

まず第1は、ローコード開発ツールをベースにビジネス領域の拡大を進めている。具体的には、様々な業務形態に対応可能な「ワークフローサービス」(「楽々WorkflowII」※1)に電子署名機能(電子署名サービス「クラウドサイン」※2)を連携する電子署名連携ツールを2022年12 月から販売を開始した。また、「楽々Framework3」※1を使って、顧客企業のレガシー情報システムのリプレース支援サービスを推進している。

※1 「楽々WorkflowII」、「楽々Framework3」は、住友電気工業<5802>の登録商標である。
※2 「クラウドサイン」は、弁護士ドットコム<6027>の登録商標である。


次に、新規事業のシーズ探索とそのための先進IT技術(AIやデータサイエンスなど)の開発を進めている。その第1弾として、「東京大学とヘルスケア分野における疾病予防プログラムの共同研究」を2023年3月にスタートさせた。同社では以前から、富士通<6702>の病院向けパッケージソフト(電子カルテ、医療会計など)導入を支援してきた。さらに、アウトソーシング事業では全国健康保険協会と関係があり、ヘルスケアの知識・ノウハウを有するITエンジニアや医療機関・健康関連団体とのネットワークを有効活用できる素地があった。そこで、成長著しいヘルスケア分野(特に健康・保健領域)で、自ら道を切り拓き、事業創出に挑戦している。今回、AIや統計を駆使しながらヘルスケア分野における疾病予防の共同研究を3年間進めるが、研究成果に目途がつけば、健康・保健機関への提案の機会が得られる。同社にとって、新規事業テーマは、医療保険財政が逼迫するなか、国民の健康という社会課題解決に貢献する観点から見ると、最適なテーマと言える。

c) コンプライアンスを徹底する
5年前の法令違反(マイナンバーの無断再委託)による社会的信用の失墜、国税庁からの指名停止(2年6ヶ月)は、担当事業部門はもとより全社員の胸に深く刻まれている。同社では、再発防止はもちろん、コンプライアンスの水準を一層高めるために、第7次中期経営計画では、あらゆるコンプライアンス対策を総動員して取り組んできた。特に目を引くのは、「Compliance Day」と「個人情報保護士」である。苦境期のことはビジネスが順調・好調になると、忘れてしまいがちになる。「Compliance Day」(1年に1回)は、担当事業部門を中心に、当時のことを思い、振り返るようにしているとのことである。5年前のことを風化させないために、今後も続けていく。個人情報を扱う資格である「個人情報保護士」を担当事業部門の役職以上は全員を取得しており、縦連携、横連携による双方向コミュニケーションを促進し、内部統制を強化していることが伺える。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水啓司)

《YI》

 提供:フィスコ

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