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証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
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6619 ダブル・スコープ

東証P
327円
前日比
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-0.61%
PTS
327円
20:31 11/22
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
0.31 2.44
時価総額 181億円
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ついイケイケになっちゃうので、複利効果をスルーして資金を一部ロック

ゆる~いようで強い! 投資家女子の決め技
カバンサイトブルーさんの場合-最終回

登場する銘柄
今回はなし

文・イラスト/福島由恵(ライター)、編集・構成/真弓重孝(株探編集部)

【タイトル】カバンサイトブルーさん(ハンドルネーム・50代・女性)のプロフィール:
子育てと仕事に加え、投資家の3役をこなすキャリアウーマン。2015年に仕事で経済情報に触れる機会が増えたことをきっかけに、投資信託の購入から始め、18年ごろから個別株投資を開始する。

当初はアメ株から手掛け、その後日本株に手を広げる。上昇モメンタムが強まる人気銘柄に乗り順張り投資する手法で、一時は6000万円近くまでリターンを膨らます。そんな成功の一方で、急落に巻き込まれて3000万円台にまで溶かすイタい経験もする。その反省もあって、最近はバリュー重視の考え方も取り入れた改良版の順張り投資にシフトしている。「株探-個人投資家大調査-2023春」の回答者で、投資スタイルは「バリュー重視」、日本株投資の腕前は「中級者」となる。

第1回記事「半導体祭りの先回りで利益積み上げ、米国株ミラー投資で技向上」を読む
第2回記事「今年前半のスター銘柄、ソシオネクストを先回りトレードできたわけ」を読む

今年5月、日経平均株価が約1年半ぶりの3万円台に届こうとしていた頃、カバンサイトブルーさん(ハンドルネーム、以下、カバンサイトさん)は、お祭りムードの雰囲気の中であえて熱を冷ます行動を取っていた。

進めていたのは、自分の証券口座からこれまでのリターンを引き出す作業だ。3000万円以上の運用資金を、800万円までに縮小させたのだ。

せっかく獲得したリターンを再投資せずに引き出してしまうと、複利効果を享受できなくなるマイナス面もある。資産拡大のセオリーとは異なる行動に出たのは、本人の性格も考慮してのことだ。

最終回は、兼業投資家のカバンサイトさんが、本業への影響や自身の性格を鑑みて実行するリスクマネジメントの考え方を紹介する。

■日経平均株価の日足チャート(22年11月16日~)
【タイトル】

注:出来高・売買代金の棒グラフの色は当該株価が前期間の株価に比べプラスの時は「赤」、マイナスは「青」、同値は「グレー」。以下同


相場活況に浮かれず、しっかりと資金管理

カバンサイトさんが運用資金を縮小させたのは、ともかく株が楽しくて仕方がないからだ。そんな株式投資とこれからも末永く付き合っていくためにも、あえて距離を取る決断をしたのだ。

もともと、人気銘柄の株価上昇のモメンタムに乗り、順張りで追随するやり方で投資を成功させてきた。上昇とともに自分の資産も拡大していくワクワク感は何とも言えず、持ち株の株価が上がれば買い増し、下がっても買い下がり(ナンピン買い)がしたくなるという。

一方で、レバナスと呼ばれる、原則、「ナスダック100指数」の3倍の動きをするハイリスク商品や、WSCOPE<6619>で突然の株価暴落を食らい、最悪時には半分近い資産を一気に減らして胃がキリキリするようなヤラレも経験している(参考記事)。

株に対してついイケイケになってしまう自分の性格と、株式相場の恐ろしさを十分に承知している。そのうえで、投資を満喫できるように工夫したことが、「お金に振り回されない環境」を作ることだった。

気持ちが動揺するのを避け、常にマイペースに投資できるようにするのが目的だ。相場が活況になるとつい熱くなってしまう自分を抑えるために、口座からリターン分を定期的に引き出している。

具体的には、口座の中に入れる資金は、「最悪、ゼロになってもいい」とあきらめのつく金額に抑えた状態にする。例えば100万円で投資し、株価が上がって120万円になったところで利益確定した場合は、その後、利益の20万円を口座から引き出す。常にこの作業を続けるのが基本形だ。

不調時は出金額を増やす工夫も

加えて、大きな損失が発生したり、打診買いした銘柄群で次々と損切りを強いられたりする苦しい局面では、一時的に多めに出金することも行っている。この作業により、口座で表示される資金推移のグラフや損失額の表示がリセットされ、いかに損をしたかが目に入りづらくなる。メンタル的なダメージを和らげる効果的があると本人は言う。

こうして、2015年に130万円を元手に株式投資を始めたカバンサイトさんは、総額で650万円の資金を段階的に追加しながら、得たリターン分は口座から適宜引き出している。足元では800万円にまで縮小させており、これまでの中で最もスリムな金額にしている。

一見、「保守的すぎる」とも思えるが、この方法で資金を限定させているからこそ、レバナスやダブスコのような、ボラティリティ(株価の変動率)が高いお祭り銘柄に躊躇なく飛び込んでいける。本人の持ち味の大胆さで向かうことで、結果的にカバンサイトさんに好成績をもたらしている。

上昇の勢いなくなったら、利確や損切りを実行

口座内の資金管理に加えて、損切りも徹底させている。カバンサイトさんが行う、株価上昇のモメンタムに乗るやり方では、その勢いが継続しているか否かの見極めが重要となる。その観点から株価チャートを観察し、株価が日足チャートの短期線を示す5日移動平均線を完全に下回ったら、利確ないしは損切りを実行するのが原則だ。

ただし、お金に振り回されない環境を敷いているからといって、失敗しても良しとするわけではない。明らかに銘柄選定が甘いとか、買い出動のタイミングが間違ったと思う時は、なぜそうなったかの振り返りを欠かさない。ノートに反省点を記録し、改善の方法を考えるのがルーティンだ。

これまでの反省や経験を踏まえ、買いたい銘柄が見つかっても、市場が全体的に軟調と思える時はひとまず監視リストに入れて様子見をする。株価チャートや歩み値をチェックし、全体地合いが悪い中でも下がったところで買いが入る動きが見られれば、現状より低めの位置に買いの指値を入れて打診買いをする。

また、日本に先行して動く米国市場に反転の兆しが見られ、日本の夜間にも動く先物価格も上昇の動きがあれば、PTS(私設取引システム)で少額から先回り買いをするなどの対策も取っている。

※当該情報は、一般情報の提供を目的としたものであり、有価証券その他の金融商品に関する助言または推奨を行うものではありません。



 

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