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100万円を17年で累計15億円に、モメンタム重視・短期決着の技
すご腕投資家さんに聞く「銘柄選び」の技 Kさんの場合-第1回
月100万円稼ぐパチプロから27歳で専業トレーダーに転身し、デイトレ1本で元本の100万円を17年間で15億円に膨らます――。
今回紹介するのは、勝負師のような経歴を持つKさん(ハンドルネーム)だ。累計で稼いだ利益は15億円。そこから税金の支払い、また不動産や高級車、生活費に使った分を差し引いた足元の運用資産は、待機資金を含めて6億円になる。
Kさんの投資歴で最も目を引くのは、年間成績で一度もマイナスを出さずに、最初に投じた100万円のみで15億円の累積リターンを稼いだことだ。
17年で1500倍を単純計算すると、年平均成長率(CAGR)は53.8%。ちなみに2005年末から22年末の日経平均株価と東証マザーズのCAGRは、順に2.9%と▲7.1%にとどまっている。
その成果をもたらした技が「超短期の順張り投資」だ。思惑を掻き立てる材料を手掛かりに急ピッチで株価が上昇する銘柄に飛び乗り、1~3日の短期間で利ざやを獲得する。重視するのは需給のみだ。
投機性の高いリスクの大きい手法のように見えるが、Kさんは、自らの直感を客観的に精査して、リスクを抑え勝率を高めている。言ってみれば、「安定重視の短期モメンタム投資」だ。
15億円を稼いだ軌跡を3回シリーズで紹介する。初回は具体例を見ていく。
訂正:上記の年平均成長率の数字が誤っていました。現在は修正済みです。
「高値で買って、さらに高値で売る」ために、心がけていること
Kさんの投資スタイルは、「高値で買って、さらに高値で売る」というもの。株価が上昇モメンタムにある銘柄が、投資対象になる。
いつもは揉み合っているチャートでも、材料を手掛かりにストップ高に張り付いたり、直近高値や年初来高値を超えたりすると、その翌営業日などに、タガが外れたように株価が一直線に伸びることがある。その上昇気流の序盤~中盤に飛び乗り、終盤で売り抜けるのが狙いだ。
とは言っても、見極めは容易ではない。株価が高値に到達しても、戻り待ちの売りなどで下げに転じるパターンもある。いつも自分の思い通りに株価が動くとは限らない。
こうしたギャンブルの要素を弱めるためにKさんが心がけているのが、「誰が見ても伸びる」と確信できるくらいに騰勢が強い時だけ勝負を仕掛けることだ。
騰勢の強さを見極め、バイオ株で1500万円のリターン
具体的にどのような手順で売買するのか。2022年で最も上手くいったという創薬ベンチャーのキャンバス<4575>の取引を例に説明しよう。
同社株で得られたリターンは約1500万円。下のチャートのように、6月20日に株価500円超で買い、「寄らずストップ高」を経た後、買値の+40%となる700円前後で利確している(ピンクの吹き出し)。
「寄らずストップ高」とは、株価が値幅制限の上限に達し、寄り付きから終値まで一度も約定せずに場が引けた日を指す。買い注文が殺到し、売り注文を大きく上回っていることを意味している。逆もしかりだ。
■キャンバスの日足チャート(2022年6月6日~27日)
同社株に注目したきっかけは、22年6月15日に発表された新薬開発にかかわるリリース(下参照)。膵(すい)臓がんの新薬候補の臨床試験が前進したという内容になる。
Kさんは「この材料はインパクトが強い」と直感した。バイオ株の新薬開発にかかわるニュースは比較的大きく反応される傾向があることを経験から実感しているためだ。
この直感は、いかにして確信に変わったのか。そのプロセスを次ページに記載した。
■キャンバスが2022年6月15日に開示したリリースの抜粋
※当該情報は、一般情報の提供を目的としたものであり、有価証券その他の金融商品に関する助言または推奨を行うものではありません。
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編集・構成/真弓重孝、取材/高山英聖(株探編集部)
■Kさん(40代・男性・専業投資家)のプロフィール:
大阪府在住の専業投資家で、累計リターンは15億円になる。投資を開始したのは2006年、27歳の時。元手100万円から元本を一度も追加せず1500倍に増やす。手法は、一貫して超短期の順張り投資。定期的に自身の取引を振り返りながらレベルアップを図り、年間成績では17年間無敗を達成している。株を始める前は、月100万円以上を稼ぐパチプロとして腕を鳴らしていた勝負師だが、自身は損失のストレスに弱く、性格も投資も慎重派だと分析する。現在は妻と二人暮らし。「株探-個人投資家大調査-2023春」の回答者で、投資スタイルは「テクニカル・需給重視」、日本株投資の腕前は「上級者」となる。
大阪府在住の専業投資家で、累計リターンは15億円になる。投資を開始したのは2006年、27歳の時。元手100万円から元本を一度も追加せず1500倍に増やす。手法は、一貫して超短期の順張り投資。定期的に自身の取引を振り返りながらレベルアップを図り、年間成績では17年間無敗を達成している。株を始める前は、月100万円以上を稼ぐパチプロとして腕を鳴らしていた勝負師だが、自身は損失のストレスに弱く、性格も投資も慎重派だと分析する。現在は妻と二人暮らし。「株探-個人投資家大調査-2023春」の回答者で、投資スタイルは「テクニカル・需給重視」、日本株投資の腕前は「上級者」となる。
月100万円稼ぐパチプロから27歳で専業トレーダーに転身し、デイトレ1本で元本の100万円を17年間で15億円に膨らます――。
今回紹介するのは、勝負師のような経歴を持つKさん(ハンドルネーム)だ。累計で稼いだ利益は15億円。そこから税金の支払い、また不動産や高級車、生活費に使った分を差し引いた足元の運用資産は、待機資金を含めて6億円になる。
Kさんの投資歴で最も目を引くのは、年間成績で一度もマイナスを出さずに、最初に投じた100万円のみで15億円の累積リターンを稼いだことだ。
17年で1500倍を単純計算すると、年平均成長率(CAGR)は53.8%。ちなみに2005年末から22年末の日経平均株価と東証マザーズのCAGRは、順に2.9%と▲7.1%にとどまっている。
その成果をもたらした技が「超短期の順張り投資」だ。思惑を掻き立てる材料を手掛かりに急ピッチで株価が上昇する銘柄に飛び乗り、1~3日の短期間で利ざやを獲得する。重視するのは需給のみだ。
投機性の高いリスクの大きい手法のように見えるが、Kさんは、自らの直感を客観的に精査して、リスクを抑え勝率を高めている。言ってみれば、「安定重視の短期モメンタム投資」だ。
15億円を稼いだ軌跡を3回シリーズで紹介する。初回は具体例を見ていく。
訂正:上記の年平均成長率の数字が誤っていました。現在は修正済みです。
「高値で買って、さらに高値で売る」ために、心がけていること
Kさんの投資スタイルは、「高値で買って、さらに高値で売る」というもの。株価が上昇モメンタムにある銘柄が、投資対象になる。
いつもは揉み合っているチャートでも、材料を手掛かりにストップ高に張り付いたり、直近高値や年初来高値を超えたりすると、その翌営業日などに、タガが外れたように株価が一直線に伸びることがある。その上昇気流の序盤~中盤に飛び乗り、終盤で売り抜けるのが狙いだ。
とは言っても、見極めは容易ではない。株価が高値に到達しても、戻り待ちの売りなどで下げに転じるパターンもある。いつも自分の思い通りに株価が動くとは限らない。
こうしたギャンブルの要素を弱めるためにKさんが心がけているのが、「誰が見ても伸びる」と確信できるくらいに騰勢が強い時だけ勝負を仕掛けることだ。
騰勢の強さを見極め、バイオ株で1500万円のリターン
具体的にどのような手順で売買するのか。2022年で最も上手くいったという創薬ベンチャーのキャンバス<4575>の取引を例に説明しよう。
同社株で得られたリターンは約1500万円。下のチャートのように、6月20日に株価500円超で買い、「寄らずストップ高」を経た後、買値の+40%となる700円前後で利確している(ピンクの吹き出し)。
「寄らずストップ高」とは、株価が値幅制限の上限に達し、寄り付きから終値まで一度も約定せずに場が引けた日を指す。買い注文が殺到し、売り注文を大きく上回っていることを意味している。逆もしかりだ。
■キャンバスの日足チャート(2022年6月6日~27日)
注:出来高・売買代金の棒グラフの色は当該株価が前期間の株価に比べプラスの時は「赤」、マイナスは「青」、同値は「グレー」。以下同
同社株に注目したきっかけは、22年6月15日に発表された新薬開発にかかわるリリース(下参照)。膵(すい)臓がんの新薬候補の臨床試験が前進したという内容になる。
Kさんは「この材料はインパクトが強い」と直感した。バイオ株の新薬開発にかかわるニュースは比較的大きく反応される傾向があることを経験から実感しているためだ。
この直感は、いかにして確信に変わったのか。そのプロセスを次ページに記載した。
■キャンバスが2022年6月15日に開示したリリースの抜粋
※当該情報は、一般情報の提供を目的としたものであり、有価証券その他の金融商品に関する助言または推奨を行うものではありません。
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