貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
日経平均株価の構成銘柄。同指数に連動するETFなどファンドの売買から影響を受ける側面がある
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6857 アドバンテスト

東証P
9,447円
前日比
+62
+0.66%
PTS
9,480円
23:58 11/22
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
57.3 14.68 1.16
時価総額 72,377億円
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【村瀬智一が斬る!深層マーケット】インデックスに絡んだ商いで主力大型株主導の展開は継続


「インデックスに絡んだ商いで主力大型株主導の展開は継続」

●海外投資家は現物・先物合算で7週連続の買い越し

 日経平均株価は、海外投資家による日本株選好の動きが継続するなか、強い上昇トレンドを描いている。5月23日には3万1352円まで上昇。過熱感から調整を挟んだものの、週末には再びザラバで3万1000円を回復するなど、押し目待ち狙いの買い意欲は強い。5月第3週(5月15日-19日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物と先物合算で7週連続の買い越しである。

 米国の債務上限問題の行方は依然として不透明であるものの、デフォルト(債務不履行)に陥ることは避けられるとみられており、来週にも合意がなされよう。不安要因が和らぐことで、米国への資金回帰も意識されてきそうだが、6月13日-14日に米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えていることもあり、しばらく慎重姿勢に向かいやすい。そのため、リスク回避の観点からも日本株選好の状況は続こう。

 足もとは海外ファンドなどによるインデックスに絡んだ取引が中心であり、指数インパクトの大きい値がさハイテク株など主力大型株主導の展開が継続するとみられる。アドバンテスト <6857> [東証P]の上場来高値更新など、短期的には過熱感が意識されてこようが、中長期の視点では依然として出遅れ感の強い銘柄は数多く、見直し余地があろう。

●今後、活躍が期待される「注目5銘柄」

◆レーザーテック <6920> [東証P]
4月28日に発表した2023年6月期第3四半期累計(2022年7月-2023年3月)の連結営業利益は前年同期比66.1%増の274億円で着地したが、通期計画を据え置いたことが売りにつながり、5月2日には1万7485円まで下落した。その後はリバウンド基調にあり、足もとで75日、200日移動平均線を上放れて、4月初旬以来となる2万3000円台を回復。短期過熱感は警戒されるものの、3月末につけた高値2万3695円奪回に続き、2月の急落局面で空けたマド(2万4195円~2万5410円)埋めが意識されてくるだろう。このマドを埋めてくると、1月高値の2万7000円が次のターゲットとなる。信用倍率は4月28日時点の7.36倍から5月19日時点では5.34倍に取組が改善している。

◆三井ハイテック<6966>[東証P]
2023年1月期はICリードフレームを軸に電子部品事業が好調に推移し、連結最終利益は前の期比49.3%増の175億円と過去最高益を更新。2024年1月期は先行投資の影響により最終利益は前期比5.6%減の166億円と減益の見通しだが、電動車向け駆動・発電用モーターコアの需要が引き続き拡大するほか、車載向け金型なども堅調な推移を見込む。株価は13週、52週線のゴールデンクロス示現により、切り上がる13週線を支持線としたトレンド形成が期待される。昨年6月の急落で残した、長い陰線を埋めにいく展開が意識されよう。

◆新光電気工業 <6967> [東証P]
2024年3月期の連結営業利益は前期比54.4%減の350億円と大幅減益の見通しだが、株価は悪材料出尽くしといった動きを見せており、5月に入りリバウンドが強まった。パソコン向け半導体パッケージの需要減退の影響は警戒されるが、自動車や産業機器向けでの需要増が期待される。5月19日時点の信用倍率は0.99倍と売り長の需給であり、株価の上昇に伴って売り方の買い戻しが強まりやすい。過熱感を警戒しつつも、昨年3月の上場来高値5990円が目先のターゲットになりそうだ。

◆ラクス <3923> [東証P]
主力サービスの「楽楽シリーズ」を中心にクラウド事業が高成長を続け、2023年3月期は積極投資をこなして増収増益で着地。2024年3月期の通期計画は配当(2円)以外開示していないが、上期(4-9月期)の連結売上高は前年同期比32%増、経常利益は同43%増を見込む。インボイス関連の需要が期待されるなか、投資家の関心も高まることになろう。また、HOYA <7741> [東証P]のクラウド勤怠管理・給与明細閲覧サービス事業を子会社化したことで、サービスの拡大に伴うシェア向上が期待される。株価は切り上がる25日線に沿ってリバウンド上昇を続けているが、底値もみ合いレンジをようやく上放れてきた水準である。2021年9月の上場来高値4775円から2022年5月には1212円まで大きく売られた経緯があるだけに、リバウンド余地は大きそうだ。

◆エーザイ <4523> [東証P]
同社の株価は、米バイオジェン<BIIB>と共同開発するアルツハイマー病治療薬の承認の行方次第で大きく乱高下しやすい点には注意する必要がある。しかし、米国では同薬は条件付きの承認となる「迅速承認」を得ており、7月にもフル承認を得られる可能性がある。これが決まると、同治療薬は本格的な普及促進に向けて大きく前進する。また、5月22日には英国でも販売承認を申請している。株価は力強いリバウンド相場を形成し、年初来高値を更新。昨年12月に付けた高値1万0050円が射程に入ってきた。信用倍率は3月31日時点の12.87倍から5月19日には5.63倍まで低下しており、取組は改善傾向にある。

(2023年5月26日 記)

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