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【杉村富生の短期相場観測】 ─ついに、3万8915円が見えてきたぞッ!


「ついに、3万8915円が見えてきたぞッ!」

●企業統治改革を評価、外国人が猛攻!

 バブル時を彷彿とさせるような急騰劇が演じられている。抜群に強い。日経平均株価は1月4日(大発会)の2万5661円(ザラバベース)を安値に、一気に5000円超(2割)の爆騰だ。TOPIXは33年ぶりの高値になっている。海外の機関投資家の買いに支えられた主軸株中心の相場である。

 年初以来、筆者は「日経平均株価の今年の上値は3万3000円絡み」と主張し、「2024~2025年には1989年末の史上最高値3万8915円に挑戦する」と叫んできた。こう切り出すと、1~3月の講演会では失笑されたものだ。しかし、最近は「目標値が低すぎませんか」と言われている。

 投資マインドの改善が著しい。国際マネーは欧米株ショート(売り)、日本株ロング(買い)のポジションの構築を推進したと思う。このケースでは海外情勢の不透明さを気にする必要はない。アメリカの連邦債務上限引き上げ問題、地銀の経営危機、中央銀行の金融政策(引き締め継続)は逆に、日本市場にプラスに作用する。

 実際、外国人は1~5月(第2週まで)に4.4兆円の買い越し(先物を含む)だ。昨年は4.9兆円の売り越しだった。その差は9.3兆円になる。これは大きい。なにしろ、外国人は日本市場の委託売買代金シェアの6~7割を占める最大の投資主体である。ここが買えば上がる。当然のことだろう。

●ABEJAが小型株復活の起爆剤に!

 外国人が買っているのはトヨタ自動車 <7203> [東証P]、ソニーグループ <6758> [東証P]、キーエンス <6861> [東証P]、第一三共 <4568> [東証P]、三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> [東証P]、日立製作所 <6501> [東証P]、東京エレクトロン <8035> [東証P]など流動性の高い銘柄である。

 さらに、JR東日本 <9020> [東証P]、KDDI <9433> [東証P]、三井不動産 <8801> [東証P]、コスモエネルギーホールディングス <5021> [東証P]、コシダカホールディングス <2157> [東証P]、ビジョナル <4194> [東証G]、青山財産ネットワークス <8929> [東証S]などをしっかり買っているという。

 いわゆる、インデックス主体の“空中戦”である。中・小型株は旗色が悪い。物色の対象外だ。しかし、6月になると、流れは変わるだろう。アメリカの金融危機は峠を越え、連邦債務の上限引き上げ問題は6月初旬には解決する。利上げはカナダ、メキシコが「打ち止め」を表明、FRB(米連邦準備制度理事会)の意固地さが際立っている。

 結局、国際マネーのショート&ロング戦略は修正のタイミングを迎えるだろう。6月13日には東証グロースにABEJA <5574> が上場する。1カ月半ぶりのIPO案件だ。AI(人工知能)の社会実装を手掛けるデジタルプラットフォーム支援事業を行っている。

 幹事証券は野村証券(公開価格決定日は6月2日)だ。エヌビディア<NVDA>、アルファベット<GOOG>、マイクロソフト<MSFT>との関係が深い。Chat GPT関連との見方ができる。すでに、エキサイトホールディングス <5571> [東証S]、ジオコード <7357> [東証S]、プログリット <9560> [東証G]などが人気を集めている。

 このほか、マクニカホールディングス <3132> [東証P]、FIXER <5129> [東証G]、メタリアル <6182> [東証G]などもそうだが、ABEJAのIPOがAI、Chat GPTを軸に中・小型株の反騰(復活)の起爆剤となろう。出遅れのnms ホールディングス <2162> [東証S]、NTN <6472> [東証P]は戻りに転じるだろう。

2023年5月19 日 記

株探ニュース

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