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8136 サンリオ

東証P
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再び出番到来! コロナ5類移行で「コト消費関連」活躍の夏 <株探トップ特集>


―「インスタ映え」も後押し、行動範囲広がり体験に時間とカネを使う動き強まる―

 今年のゴールデンウィーク(GW)は、新型コロナウイルス感染症が「5類」に移行する直前の行動制限のない大型連休となった。観光や帰省などで移動する人も増え、JR旅客6社がまとめたゴールデンウィーク期間(4月28日~5月7日)の利用実績によると、6社合計の利用者数は平均すると前年同期比32%増となり、新型コロナウイルス感染拡大前の2018年に比べて94%の水準に回復した。年末年始の利用者数はコロナ禍前比84%だったことを考慮すると、移動需要は着実に回復に向かっている。

 消費者の行動範囲が広がることで、レジャーや観光などの需要回復は加速することが予想される。特に、近年の消費行動の変化から「コト消費」関連には改めて注目が必要だろう。

●「5類」移行で自由な行動に拍車

 昨年10月の水際対策緩和や今年3月のマスク着用ルールの変更などを経て、アフターコロナの機運が広がっている。5月8日には新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが「2類」相当から「5類」に移行。公共交通機関などではまだマスクをつけている人が多いものの、日常生活では徐々に外す人が増えており、それに伴い人々の間には安心感が広まりつつある。もちろん感染拡大は終息したわけではないものの、安心感が広がることは行動の自由につながり、それが5類移行直前だったが、GWのJR旅客各社の利用者数の増加に表れたようだ。

 これに加えて、今後海外からの訪日客数が本格的に回復すれば、更なる消費拡大につながろう。観光庁によると、22年の訪日外客数は383万2110人で、21年の24万5862人から急増したものの、19年の3188万2049人の8分の1に満たない。今年に入り、更に訪日外客数は増加しているものの、まだ回復余地は大きいといえる。

●「モノ消費」から「コト消費」「トキ消費」を重視へ

 近年の消費行動の特徴は、欲しいものの所有を目的とする「モノ消費」から、旅行や外食などのサービスを体験することに時間とカネを使う「コト消費」や、その時・その場でしか味わえない盛り上がりを楽しむ「トキ消費」を重視することにある。モノの所有では得られない体験や思い出などを重視し、そのことにカネを使うことが、消費行動の重要な要素となっている。

 また、画像共有サービスの「Instagram(インスタグラム)」に代表されるように、SNSに画像を投稿し、「インスタ映え」を目的に旅行や飲食を行う人が増加している。SNSに投稿し、周囲から評価されることに価値を求める消費者意識の変化も「コト消費」へのシフトにつながっているようだ。

 「インスタ映え」に後押しされる「コト消費」の拡大は、国内に限らず海外でも増加が顕著だ。更に政府のインバウンド拡大策もあって日本に詳しい旅行者も増えており、そうした人たちもより日本を楽しむ「コト消費」拡大に一役買っている。

●レジャー関連銘柄などに注目

 コト消費の代表格は、レジャー 関連の銘柄だ。

 オリエンタルランド <4661> [東証P]は、入園者数の順調な回復に注目したい。行動制限緩和や東京ディズニーシーの新規ナイトタイムエンターテイメント「ビリーヴ!~シー・オブ・ドリームス~」効果もあって、23年3月期の入園者数は前の期比83.2%増の2208万9000人に増加した。続く24年3月期は、東京ディズニーリゾート40周年イベントと海外ゲストの回復などにより、入園者数は前期比13.6%増の2510万人へ増加を予想。これを背景に連結営業利益は1221億6900万円(前期比9.9%増)を見込んでいる。

 ラウンドワン <4680> [東証P]は、既存店売上高の回復基調が続いていることに注目したい。4月の国内既存店売上高は前年同月比19.7%増と前年実績を上回った。24年3月期通期では前期比5.4%増を見込んでおり、コラボキャンペーンの開催やアミューズメントの新機種導入などの施策を実施する予定。また、ギガクレーンゲームスタジアムへの改修を継続して行うことも寄与する。今期は米国で4店舗、中国で1店舗の新規出店を予定しており、連結営業利益は205億6000万円(前期比21.5%増)を見込む。

 サンリオ <8136> [東証P]は、ハローキティなどのキャラクターをテーマにしたサンリオカフェやテーマパークの「サンリオピューロランド」「ハーモニーランド」が人気だ。「サンリオピューロランド」の入園者数は23年3月期には前の期比34.9%増の120万人に回復し売上高も4割以上増加したが、今期も増収を見込む。連結営業利益はイベント開発や広告宣伝費などが膨らみ112億円(前期比15.5%減)を予想している。

 西武ホールディングス <9024> [東証P]は、今年6月に旧としまえん跡地の一部に開業する「ワーナー ブラザース スタジオツアー東京-メイキング・オブ・ハリー・ポッター」(運営会社ワーナー ブラザース ジャパン)が注目されている。また近年ではアウトドア関連の事業領域拡大にも注力。24年3月期連結営業利益は、コロナ禍からの回復に向かう需要をホテル・レジャー事業を中心に高単価で取り込むことで360億円(前期比62.5%増)を予想している。

 東宝 <9602> [東証P]は、24年2月期の連結営業利益400億円(前期比10.9%減)と2ケタ減益を見込むが、保守的との見方がある点に注目したい。今期は映画興行で前期に比べて人気作が不足しているとの声も聞かれるが、一方で「葬送のフリーレン」「薬屋のひとりごと」などのテレビアニメ放送やモバイルゲーム「呪術廻戦ファントムパレード」(23年中に配信予定)のリリースによる収益貢献が見込まれ、これらが映画興行の人気作不足の影響を上回るとの見方も多い。

 エイチ・アイ・エス <9603> [東証P]は、海外旅行及び国内旅行の取扱高が順調に回復していることに注目したい。今年に入り旅行総取扱高はコロナ禍前の19年10月期比で1月36.4%、2月50.3%、3月54.7%と推移。主力の海外旅行取扱高も同29.5%、43.7%、46.4%と順調な回復ぶりとなっている。会社側では23年10月期連結業績予想を未定としているが、第1四半期(22年11月~23年1月)決算は、旅行・ホテル事業が全体を牽引し、営業赤字が前年同期の121億5800万円から34億3900万円に大幅に縮小した。

 このほか、レストランやホテル事業の月次売上高が回復基調にあるひらまつ <2764> [東証P]や、集客エンターテインメント市場の回復、公演数の増加、単価の上昇などでチケット販売が好調に推移しているぴあ <4337> [東証P]、大井競馬場などの運営を行う公営競技事業が堅調なほか、約7ヵ月間の整備改修工事を終え、今年4月29日に今期の営業を開始した東京サマーランドを運営する東京都競馬 <9672> [東証P]にも注目。更に、アウトドア用品を手掛け、第1四半期(1-3月)連結営業利益は2億5700万円(前年同期比72.5%減)と落ち込んだが、23年12月期通期営業利益は50億円(前期比36.1%増)の従来見通しを据え置いたスノーピーク <7816> [東証P]なども関連銘柄といえよう。

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