PBシステムズ---第2四半期は苦戦も通期予想据え置き、下期から復調へ
PBシステムズ<4447>は15日の大引け後、2023年9月期第2四半期決算を発表した。売上高は前年同期比19.5%減の908百万円、営業損失は55百万円(前年同期は137百万円の黒字)、経常損失は60百万円(同138百万円の黒字)、四半期純損失は42百万円(同96百万円の黒字)で着地している。主力のセキュアクラウドシステム事業での受注損失引当金の計上が重しになっている。
第2四半期業績をセグメント別で見ると、セキュアクラウドシステム事業では、前期よりスライドした特定案件(製造業向けのVDI構築案件)の完成に向けて、経験豊富なエンジニアを重点的に投入するとともに、クラウド基盤構築サービスの提供を軸に、地域の中核病院への営業活動やパートナーとの協業による製造業界への新規顧客開拓に取り組んだ。しかし、新たに発生した技術的問題によって特定案件の対応が長期化し、他の事業展開がやや手薄になったことで売上が伸び悩んだ。また、第3四半期から第4四半期にかけて見込まれる特定案件の売上原価の増加額を前もって組み込んだことにより、受注損失引当金を約49百万円計上した結果、売上高は前年同期比23.4%減の862百万円、セグメント損失は58百万円(前年同期は153百万円の黒字)で着地。
エモーショナルシステム事業においては、売上高は46百万円、セグメント利益は3百万円と前年同期(15百万円の赤字)から黒字転換して着地。MetaWalkers(旧称:4DOH)を起点として、大手通信事業者との協業によるイベントの新規案件が当初の想定以上に拡大している他、従来市場の遊園地・テーマパーク市場においても、アフターコロナに向けた動きからレジャー産業向けの需要が増加に転じ、専用コンテンツ制作など遊園地向け案件の獲得が徐々に回復している。また、受注済の企業向けメタバース案件が売上高と営業利益の両面に寄与し始めるとともに、新たな要請による取り組みが徐々に拡大するなど順調に進展しているようだ(※各セグメント数値は決算説明資料ベース、全社費用を各セグメントの人員割合で配賦)。
なお、受注残高については、前年同期比9.4%増の834百万円と第2四半期末時点での過去最高値を達成している(さらに、第2四半期実績には含まれていないものの、第3四半期で既に「SaaS用プライベートクラウド基盤」の大型案件(1,071百万円)を受注済み)。2023年9月期の業績予想については、売上高が前期比11.1%増の2,780百万円、営業利益が同11.0%増の300百万円、経常利益が同12.4%増の295百万円、当期純利益が同11.6%増の205百万円の計画を据え置いた。売上高は第3四半期で期初に示した進捗計画を超過し、営業利益についても同時期に黒字回復する見通しを決算説明会資料の中で示した。
《FA》
提供:フィスコ