FOMCなど重要イベントを前に様子見も、全般底堅い値動きに【クロージング】
2日の日経平均は小幅に4営業日続伸。34.77円高の29157.95円(出来高概算10億3000万株)で取引を終えた。朝方は急激に進んだ円安を映して電子部品など輸出関連株中心に買いが先行。29278.80円と続伸して始まった。ただ、前日に約8カ月半ぶりに29000円台を回復しただけに、高値警戒感から利食い売りが出やすいほか、連休中に米連邦公開市場委員会(FOMC)や雇用統計など重要イベントが控えているため、次第に模様眺めムードが広がった。一時マイナスに転じる場面もあったものの29000円は割り込まず、こう着ながらも底堅さが意識された。
東証プライムの騰落銘柄は、値下がり数が1100を超え、全体の6割を占めた。セクター別では、精密機器、医薬品、電気機器など8業種が上昇。一方、不動産、証券商品先物、海運など25業種が下落した。指数インパクトの大きいところでは、アドバンテス<6857>、東エレク<8035>、第一三共<4568>が堅調だった半面、ファーストリテ<9983>、キッコーマン<2801>、リクルートHD<6098>が軟化した。
前日の米国市場は、4月のISM製造業景況指数が47.1と市場予想(46.8)を上回り、米連邦準備制度理事会(FRB)による利上げ長期化への懸念から、米長期金利が上昇。主要株価指数が反落した。一方、外為市場では日米金利差拡大観測から、一時1ドル137円台半ばまで円安が進んだことが投資家心理の改善につながった。買い一巡後は次第に目先の利益確定の売りが増え、日経平均は始値を高値に買い見送りムードが強まった。
日経平均は小幅続伸となったが、総じて堅調に推移した。5月のFOMCでは0.25%の利上げは確実視されるが、このところの米経済指標は市場予想を上回るものが目立つだけに6月以降も利上げが継続するのか確認したいとの見方が手控え要因でもあったため、イベント通過による動きを見せてくるかが注目されそうだ。また、国内では連休明けから決算発表がピークを迎えることから、今期の業績見通しなどを手掛かりとした物色が強まろう。
《CS》
提供:フィスコ