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3445 RSテクノ

東証P
3,410円
前日比
-15
-0.44%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
11.8 1.47 1.03 17.84
時価総額 900億円
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RSテクノ Research Memo(1):再生ウェーハ、プライムウェーハともに堅調持続


■要約

RS Technologies<3445>は半導体の主要部材であるシリコンウェーハの再生加工を主力事業として展開し、メインサイズの12インチ(300mm)及び8インチ(200mm)再生ウェーハで世界シェア約33%(同社推計)とトップに立つ。また、2018年に中国でプライムウェーハの一貫製造販売事業を手掛ける有研半導体硅材料有限公司(以下、GRITEK)を子会社化したほか、2019年には半導体製造装置用消耗部材事業を手掛ける(株)DG Technologiesを子会社化するなど、M&Aにより事業領域の拡大を進めながら成長を続けている。なお、GRITEKは2022年11月に上海証券取引所科創板市場に上場し、約375億円を調達した。調達資金は今後の成長投資に投下していく。同社の出資比率は間接所有分を含めて40%強となるが、今後も連結対象子会社として維持する方針だ。

1. 旺盛な顧客需要を背景に2022年12月期業績は大幅増収増益に
2022年12月期の連結業績は、売上高で前期比44.0%増の49,864百万円、営業利益で同89.3%増の13,018百万円と大幅増収増益となり過去最高を連続更新した。旺盛な顧客需要を背景にすべての事業が好調に推移した。特に、ウェーハ再生事業では国内、台湾での能力増強効果もあって売上高で同41.5%増、営業利益で同54.5%増となったほか、中国子会社で展開するプライムシリコンウェーハ製造販売事業(以下、プライムウェーハ事業)も8インチウェーハの生産量増加、並びにシリコンインゴットの需要拡大により売上高で同53.9%増、営業利益で同136.1%増と急拡大し、業績を大きくけん引した。

2. 2023年12月期も売上高、営業利益で増収増益を見込む
2023年12月期の連結業績は売上高で前期比1.8%増の50,800百万円、営業利益で同0.6%増の13,100百万円と増収増益が続く見通しだ。半導体市場は足元、調整局面が続いているものの、再生ウェーハの需要は引き続き堅調でフル稼働が続いているほか、プライムウェーハについても中国市場での8インチウェーハの販売シェア拡大により順調な成長が見込まれる。米中貿易摩擦の影響で、中国の先端半導体分野はブレーキが掛かっているものの、GRITECKの主要顧客はアナログ及びパワー半導体向けが中心で対象外であるほか、8インチウェーハの市場シェアもまだ1割程度と低く、シェア拡大による成長余地が大きい。前期に急伸したシリコンインゴットは調整局面に入っており、先行きもまだ不透明なため、全体業績としては保守的な計画を策定したと見られる。なお、為替前提レートは130円/USD、19.9円/RMB、4.4円/NTDとしており、1円/USDの円安で約20百万円の増益要因となる。

3. 12インチプライムウェーハは2024年から量産開始へ
同社は2025年12月期の新たな業績目標として売上高57,600百万円、営業利益14,700百万円を設定した。3年間の年平均成長率は2023年12月期の伸びを慎重に見ているため売上高で4.9%、営業利益で4.1%となるが、2024年12月期以降は年率6%前後の増収増益となる。12インチウェーハ用半導体工場の新設が国内外で計画されており、再生ウェーハの需要拡大が今後も見込めること、中国8インチプライムウェーハの販売シェア拡大が収益のけん引役となる。また、第3の柱として育成中の半導体製造装置(ドライエッチング装置)用消耗部材についても大手装置メーカーで純正品の認定を取得できれば高成長が見込める状況である。さらに、GRITEKの持分法適用関連会社である山東有研RS半導体材料有限公司(以下、SGRS)※では、12インチ再生ウェーハの量産を2022年に開始したのに続き、2024年からは12インチプライムウェーハも量産を開始する計画となっている。最先端半導体の中国生産については米中貿易摩擦の影響で今後難しくなるが、それ以外の半導体の生産量は拡大するものと予想される。同社はこうした需要を取り込んでいくほか、プライムウェーハについては価格競争力を武器に将来的には海外市場での販売拡大も視野に入れている。持分法適用関連会社のため当面の連結業績への影響は軽微だが、収益化の目途が立った段階で連結対象子会社として組み入れる意向となっており、数年後には連結業績に大きく貢献することが期待される。中国半導体産業の今後の動向が不透明要因ではあるものの、同社は中国以外の大手半導体メーカーを主要顧客として抱えているため、全体的に見れば影響は軽微と考えられ、今後も半導体業界のなかで市場平均を上回る成長が期待できる企業の1つとして注目している。

※GRITEKが19.99%を出資している。同社の連結業績には、SGRSの当期純利益の約8%が持分法による投資損益として計上されることになる。


■Key Points
・旺盛な顧客需要を背景に、2022年12月期業績は大幅増収増益を達成
・再生ウェーハ、プライムウェーハともに需要は堅調で2023年12月期業績計画は保守的な印象
・2025年12月期の業績目標を売上高57,600百万円、営業利益14,700百万円に上方修正

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《SI》

 提供:フィスコ

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